◆明治安田J2・J3百年構想リーグ東B ▽第2節 藤枝2―0松本(14日・藤枝総合) 今季就任した元日本代表の槙野智章監…
◆明治安田J2・J3百年構想リーグ東B ▽第2節 藤枝2―0松本(14日・藤枝総合)
今季就任した元日本代表の槙野智章監督(38)率いるJ2藤枝が、J3松本山雅に2―0で快勝し、公式戦2戦目で初勝利を飾った。後半15分、新加入のFW菊井悠介(26)が、フリーキックで古巣相手に先制点を奪取。同31分にはPKを冷静に沈め、リードを2点に広げた。守備陣も最後まで集中を切らさず、無失点で試合を締めくくった。
勝利のホイッスルが響くと、槙野監督はピッチ際で太田ヘッドコーチに抱きしめられた。その後にスタッフ、選手が次々と集まり、互いに肩を抱き寄せて勝利の輪が広がった。「ホッとしています。ただ、甘んじることなく、監督としての幅を広げていきたい」。J公式戦2試合目で初白星をつかみ、表情を和らげた。
チームが掲げる「一体感+1」。指揮官は「選手11人にプラスワンとして、圧力をかける」姿を体現した。黒スーツ姿でピッチ際に立ち、大きな身ぶりで指示を送った。後半7分には、左サイドから中村優が切り込んだ場面で倒されたがファウル判定がなく、ジャッジへ猛抗議。監督として初のイエローカードを受けた。「流れを変える狙いがあった。チームに迷惑をかけたかもしれないが、スイッチが入ったのではないか」。指揮官の奮起に選手も呼応、菊井の2得点へとつながった。
引退後の3年間は神奈川県社会人リーグの品川CCで指導者経験を積んだ。タレント活動も行っていたが、就任を機に退いた。開幕戦は岐阜に0―2で敗戦。試合でしかぬぐえない感情もある。「きょう勝った中でも残るモヤモヤや、(勝ったことで)安ど(もできる)。その中で日々を過ごせる。やはりこのサッカー界に戻ってきて良かった」と真剣勝負の舞台に復帰した喜びをかみしめた。
若手監督だからこそ築ける距離感もある。新加入で背番号10を背負う菊井は、大学卒業後から4年間プレーした古巣との初対戦。槙野監督は「さまざまな葛藤の中で戦わなければならない」と思いやり、試合前には選手に「菊井をサポートしてくれ」と呼びかけ、キャプテンマークを託した。立役者は「みんなが僕のために戦ってくれた。槙野監督らしい粋な計らいだと思いました」と感謝する。
前節からの1週間、選手個別に、映像を見せ、助言を送りながら寄り添ってきた。次戦は21日にホーム開幕3連戦の最後となる甲府戦だ。「我々が目指す攻撃的なサッカー。相手が動きを読んでいても止められない攻撃は出せた。選手たちにも、もっと良くなると言いました」。青年監督が新風を送り込み、チームをさらに強くする。(伊藤 明日香)