大阪マラソン(22日)に初挑戦する吉田響(23)=サンベルクス=が14日、最終調整を行っている鹿児島・奄美大島で順調に…

 大阪マラソン(22日)に初挑戦する吉田響(23)=サンベルクス=が14日、最終調整を行っている鹿児島・奄美大島で順調に仕上がり、初マラソン初優勝を目指すことを明かした。

 「初めてのマラソンなので、どんなタイムが出るか、分かりません。30キロまでは楽にペースメーカーにつかせてもらい、30キロから勝負になると思います。1番を目指して走ります」と吉田響は記録よりも順位を意識して、トップを狙うレースプランを明かした。

 今年元日のニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)ではエース区間の2区(21・9キロ)で1時間1分1秒の区間新記録で区間賞を獲得。24位でスタートし、22人をごぼう抜きして2位まで順位を上げた。単純計算でハーフマラソン(21・0975キロ)に換算すると、日本記録(59分27秒、太田智樹)を大きく超える58分47秒で走破したことになる。

 絶好調でニューイヤー駅伝を終え、疲労回復に努めた後、千葉県内で走り込み、2月6日からロードコース、クロスカントリーコース、陸上競技場など練習環境が整った奄美大島で最終調整を行っている。レース数日前に大阪入りする予定だ。

 「ニューイヤー駅伝の疲労は完全に抜けて、今は、ニューイヤー駅伝前と同じくらいに体調は上がっています」と1週間後のレースを待ち遠しそうに話した。

 吉田響専任の瀧川大地プロコーチ(37)は「ここまで順調です。これからの残り1週間が大事になります。当日の気象条件、ペースメーカーやライバルの動きなどレース展開次第ですが、初マラソンで日本記録(2時間4分55秒、大迫傑)を狙える状態に仕上がっています」と意欲的に話した。

 瀧川コーチは、さらに高い目標のレースプランも想定している。「あくまで気象条件やレース展開によりますが、2時間3分台もあり得る、と考えています。吉田響の爆発的な力に期待していただきたい」と語る。

 28年ロス五輪からマラソン日本代表選考で新たに「ファストパス」が設けられ、27年3月までに指定大会で男子は2時間3分59秒、女子は2時間16分59秒を突破した最上位選手は、MGC(28年ロス五輪マラソン日本代表選考会、27年10月3日、名古屋)を待たずに日本代表に内定する。未知数の潜在能力がある23歳が持ち味の爆発力を最大限に発揮した場合、一気にロス五輪切符を手にする可能性もありそうだ。

 創価大4年だった昨年1月の第101回箱根駅伝ではエース区間の2区で日本人最高記録(1時間5分43秒)をマークした。昨春、卒業後、実業団のサンベルクスとプロランナーとして所属契約を締結。昨年4月にサンベルクス本社で行われた会見では「ルーキーイヤーの今季(25年度)の目標は、サンベルクスのチーム目標であるニューイヤー駅伝8位以内に貢献するために区間賞を獲得すること、初マラソンで日本記録(当時は鈴木健吾の2時間4分56秒、現在は大迫傑の2時間4分55秒)を出すことです」と力強く話していた。ニューイヤー駅伝で、サンベルクスはチーム史上最高の5位入賞。吉田自身も圧倒的な区間賞を獲得し、有言実行した。もうひとつの目標に掲げた「初マラソンで日本記録」も有言実行を目指す。

 1週間後。今、最も勢いがある長距離ランナーがドラマを起こそうとしている。

 ◆吉田 響(よしだ・ひびき)2002年8月20日、静岡・御殿場市生まれ。23歳。御殿場市立原里中3年時に全国都道府県男子駅伝6区で2位。東海大静岡翔洋高2年時の同駅伝5区で22位。21年、東海大入学。1年時に箱根駅伝5区2位。23年、創価大3年に編入学。3年時は出雲駅伝5区区間賞相当、全日本大学駅伝5区区間賞、箱根駅伝5区9位。4年時は出雲駅伝2区区間賞、全日本大学駅伝2区2位、箱根駅伝2区2位(日本人最高記録)。25年春に卒業後、プロランナーに転向し、サンベルクスとプロ契約。自己ベスト記録は5000メートル13分39秒94、1万メートル28分12秒01、ハーフマラソン1時間1分45秒。161センチ、46キロ。