8日に行われたフィギュアスケートの団体表彰式で、表彰台の表面が選手の靴のブレード(刃)に傷がつき、影響が広がっているこ…
8日に行われたフィギュアスケートの団体表彰式で、表彰台の表面が選手の靴のブレード(刃)に傷がつき、影響が広がっていることが9日、明らかになった。日本連盟は大会組織委員会に抗議し、同委員会は謝罪の声明を出した。日本は団体で銀メダルを獲得し、男子の鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=、女子の坂本花織(25)=シスメックス=らが影響を受けた模様。個人戦を前にした波紋を大谷翔太記者が「見た」。
不手際というにはあまりにも深刻だろう。フィギュアスケート選手にとって生命線とも言える靴の刃が、喜びの場である表彰台の上で傷ついてしまった。状況を把握後、日本連盟は大会組織委に抗議。同組織委は「この度のご不便を深くお詫(わ)びし、全てのアスリートに可能な限りベストな競技環境を確保することを、ここにあらためて表明します」と声明を出した。
日本連盟によると、表彰台はザラザラとしたアスファルトのような表面がむき出しになっていた。通常、ラバーマットなどで覆われているが、五輪は国際連盟(ISU)ではなく組織委が管轄。鍵山は「表彰台に上がる前から、この素材大丈夫かなという感じだった」という。組織委は滑り止め素材だったと釈明し、表面部分を取り替える措置を講じることを明かした。佐藤駿(エームサービス・明大)は「横滑りする感覚」に見舞われた。
幸い、ペアの木原龍一(木下グループ)はスペアの靴で表彰台に上がっていたが、他選手の刃を含めボロボロとなり、急きょ9日早朝に工房に出向いた。佐藤ら教え子の靴を研磨している日下匡力コーチに修復を依頼。応急措置は終えたが影響は大きい。佐藤は9日の練習で横滑りの違和感を覚え、再度研磨する意向を見せた。何より、普段メンテナンスを頼んでいるそれぞれの担当者と異なる人が、刃を研いでいる。日下コーチの腕をもってしても、選手の繊細な感覚に沿う研ぎ方は難しいだろう。
五輪を見据えて、国内で靴の最終調整をしてミラノ入りした選手もいる。わずかな感覚の違いはジャンプなどに影響を及ぼすため、起きてしまった事態は極めて重い。日本は坂本花織(シスメックス)ら、ペアと男女シングルに金メダル候補の選手を全て投入した。その選手が、今回の“被害”を受けた。4年間の努力を、外的要因で泡にしてしまうのは望ましくない。心配を抱えたまま、男子は10日(日本時間11日)にSPを迎える。(大谷 翔太)