【リビーニョ(イタリア)10日=宮下京香】ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード・ハーフパイプ日本代表が、会場で午前から…
【リビーニョ(イタリア)10日=宮下京香】ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード・ハーフパイプ日本代表が、会場で午前から公式練習に臨んだ。22年北京五輪男子金メダルで、1月に負った複数箇所骨折などからの復活を目指す平野歩夢(TOKIOインカラミ)が、約3時間の練習後に取材に応じ、骨盤を骨折していることを明かした。「股関節のところ、腸骨というところを骨折している。けが明けで痛みとかもある状態なので、練習の中でもやりきれない部分や痛みが出てしまう方向もあって、それと戦いながら、慎重にあまり無理をせずに滑っているような感じ。今は合わせている段階だが、本番に近づいてきて、雪上も結構久々だったので調整に時間がかかっている。そんな感触」と語った。
平野歩は、1月17日のミラノ五輪前最後の実戦となったW杯第5戦のスイス・ラークス大会で技を出した際に板が折れ曲がるほど激しく転倒して負傷。「(転倒時は)終わった、と思った」。日本帰国後の診断で複数個所の骨折と打撲と判明した。平野歩は「膝もいまだに感覚がないような感じ。最初の時は膝も2倍くらいのサイズになっていて、松葉づえだったり、車椅子だったりの生活が続いていた。日に日に良くなることを考えて何とか今滑れている状態」と明かした。
しかし、驚異的な回復力を見せ、連覇が懸かる五輪に向けて国内で段階的に練習を再開し、諦めることなく取り組んできた。「戻れる可能性はゼロじゃなかった。1%でもあるのであれば、この場に足を運びに、ここで滑りたいという気持ちは(あった)。結果は考えずに、自分が今の状態を含めてどこまで行けるか、チャンスがあれば諦めずにやりきりたかった」と語った。
8日のハーフパイプ陣の初の公式練習では約3時間、横1回転技を回したり、壁の上から形状を確認したりして調整した。11日(日本時間12日未明)の予選直前のこの日は、初めて午前中に行い、多くの日本の報道陣が詰めかけた。
決勝は13日(同14日)に行われる。冬季五輪では14年ソチ大会から銀、銀、金と3大会連続で表彰台に上がってきた平野歩。4大会連続代表のミラノ大会では、個人種目でフィギュアスケート男子の羽生結弦以来、日本勢2人目の連覇がかかる。さらに4大会連続のメダル獲得となれば、日本勢初めて。「見守っていてくれれば、それが一番ありがたい。可能性があれば、出来る限りで、限界を乗り越えられるような滑りを自分自身もしたい」。日本のエースが、驚異の復活劇を見せる。
◆平野 歩夢(ひらの・あゆむ)1998年11月29日、新潟・村上市生まれ。27歳。4歳の時、3つ年上の兄・英樹(えいじゅ)さんの影響でスケートボードを始め、その半年後からスノーボードを始めた。2014年ソチ、18年平昌五輪のスノーボード・ハーフパイプ(HP)で2大会連続の銀メダル。新潟・開志国際高を卒業後、日大スポーツ科学部に進学。東京五輪はスケートボード・パーク予選14位で敗退。22年北京五輪HPで日本スノーボード界初の金メダル。165センチ。