◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 男子個人ノーマルヒル(9日、プレダッツォ・ジャンプ競技場) 【…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 男子個人ノーマルヒル(9日、プレダッツォ・ジャンプ競技場)

 【バルディフィエメ(イタリア)9日=松末守司】初出場の二階堂蓮(日本ビール)が銅メダルを獲得した。1回目で6位につけると、2回目で106・5メートルのビッグジャンプを決め、ガッツポーズ。合計266・0点でグレゴア・デシュワンデン(スイス)と同点となり、異例の銅メダル2人決着となった。連覇が懸かっていた小林陵侑(チームROY)は8位、2大会連続出場の中村直幹(フライングラボラトリー)は15位だった。

 スポーツ報知評論家の1998年長野五輪男子ジャンプ団体金メダリスト・岡部孝信さん(55)=雪印メグミルク・スキー部総監督=は、二階堂のアグレッシブなジャンプを評価。ラージヒルでの二階堂、小林の金、銀争いと、混合団体の金メダル獲得にも期待を寄せた。

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 蓮は初出場だが、攻めのジャンプができていた。しっかり腰を前方に出して、アグレッシブに前へと立ち上がっていた。これまでは少し前に行き過ぎるところもあったが、ちょうどいいところで安定してきている。そこが結果につながっているのだと思う。2本とも内容の良いジャンプができていた。

 蓮は気持ちで攻めていく選手。どんどん前に攻める姿勢がジャンプにも表れている。だから飛距離も伸ばせる。ノーマルヒル(NH)はミスが飛距離につながるので、そこの差が大きく出る。ラージヒル(LH)に比べ、風の影響よりも実力が出る。NHで飛べるということは、基礎がしっかりできているということ。蓮は技術的にも失敗が少なく、安定してきている。

 メダルを決めて蓮がお父さん(学さん)と抱き合うシーンを見て、本当に泣きそうになった。お父さんとは自分も一緒にプレーしていたことがあるので、特に感動的だった。自分も長男(凛大郎)がジャンプの選手なので、ああいう姿は夢ですね(笑)。

 陵侑はアプローチ(助走路)の滑りで、重心がちょっとずれているかなと感じた。立ち上がる手前で少しお尻が下がるので、陵侑にしては上方向に飛び出してしまっていた。おそらくコーチたちとミーティングしてその辺は理解していると思うので、今後修正してくると思う。蓮が銅メダルを取ったことで、表情には出さなくても心の中ではメラメラしていると思う。奮起してもらいたいですね。

 一方で海外勢は、予想外の結果だった。6位に終わったドメン・プレブツ(スロベニア)は調子自体は悪くないと思うが、追い風を警戒しすぎて自分のパフォーマンスできなかったのかなと感じた。ただLHは、順当にW杯上位の常連が来るんじゃないかと思う。

 LHでは、日本勢で金、銀、さらに銅までもいければいいですね。陵侑と蓮は、2人でどちらが金かを争う力はある。2人で金と銀を争ってくれれば。もちろん中村選手にも期待している。

 その前には、混合団体も行われる。こちらは金メダルが熱いんじゃないですか。NHでメダルを取った蓮と丸山希(北野建設)はもうイケイケでいくと思うし、あとは経験豊富な陵侑と高梨沙羅(クラレ)ですから。スロベニアなどライバルもいますが、日本が本命だと思います。(98年長野五輪団体金メダリスト、雪印メグミルク・スキー部総監督)