◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体(8日、ミラノ・アイススケートアリーナ) 団体で、日本は2大会連続の…
◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体(8日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
団体で、日本は2大会連続の銀メダルを獲得。2連覇を果たした米国に1点差に迫り、史上初の金メダルまであと1歩だった。2022年北京五輪に続き、団体メダルを獲得した女子の坂本花織(シスメックス)は「北京の時は奇跡みたいな感じだったけど、今回は優勝を狙った団体戦。その中で、全員がほぼ完璧な演技をしたのは、本当に素晴らしい選手ばっかりだなと思った」と、誇らしい表情を浮かべた。
今大会、男女シングルを通じて初めて団体SP、フリー両方に出場。SPでは今季世界最高の78・88点をマークするなど、共に1位で日本に10点をもたらした。気を吐いたのは氷上だけではない。団体第1日の6日は、直後に自身のSPを控えながら、アイスダンス・リズムダンスに臨んだ吉田唄菜、森田真沙也(木下アカデミー)組を応援。リンクサイドで感極まり、鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)とともに号泣していた。
そして練習日だった7日は、自身2回目の練習冒頭と、鍵山のSPの時間がかぶる時間帯。「(練習を)遅刻します!」と当然のように言い、五輪の形のサングラス姿でリンクサイドへ向かった。鍵山の108・67点の高得点での1位に、キスアンドクライの隣で絶叫すると、鼓動が高鳴るまま練習リンクへ。10分遅刻して「1位だ! やったー! いえーい!!」と氷に乗り、翌日のフリーに向けて調整した。
そして迎えた8日の団体最終日。フリー「愛の讃歌」で、148・62点の1位。ライバル・米国を同点ながらリードして、男子の佐藤駿(エームサービス・明大)にバトンを渡した。演技直後の取材を終え、応援席へ。極度の重圧の中リンクに立った佐藤を、腕組みの仁王立ちで見守った。7本全てのジャンプを決めたパーフェクトな演技に、組んだ腕をほどいて両手で顔を覆った坂本。キスアンドクライでは、佐藤の自己ベストに一瞬、歓喜。マリニンに敗れて泣き崩れる佐藤の姿に、また胸が詰まった。佐藤の後ろで、鍵山、吉田らと一緒に泣いた。
この3日間の坂本を見ているだけで、いかにチーム戦に思いをかけているかが伝わってきた。なぜ、そこまで思いが強いのか―。聞いてみたかったので、聞いた。
「フィギュアってやっぱ、個人戦。基本、個人戦なので。やっぱりこう、チームでするっていう特別感っていうのが、国別(対抗戦)と、やっぱオリンピックの団体戦しかなくて。けど、やっぱ、オリンピックは、もうオリンピックの団体戦でメダルを取れるってことは、フィギュアで、このオリンピックメダリストがかなり増えるってことだから。それだけでもやっぱ、うれしいことなので。それが思いを強くしたというか。みんなで、団体頑張ろうみたいな。多分、リンクサイドでみんなが見守ってくれてるのが、みんな好きなんですよ」
返ってきた答えは意外で、シンプルで、そしてらしかった。「オリンピックメダリストが増えることが、それだけでもうれしいこと」。仲間を思える、坂本らしい言葉だった。(大谷 翔太)