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2月8日、本拠地のららアリーナTOKYO−BAYで行われた東地区3位の千葉ジェッツと、1ゲーム差で4位につけるアルバルク東京との「りそなグループ B.LEAGUE 2025−26」B1リーグ戦第22節GAME2は、千葉Jが72―64で勝利。前日の敗戦の雪辱を果たすと同時に、A東京とのゲーム差を再び2に広げ、通算成績27勝10敗で地区2位に浮上した。
この2連戦で、安定した存在感を放っていたのが原修太である。得意のディフェンスではインサイドとアウトサイドの両面に対応し、オフェンスでは昨季以上にポイントガードとしての役割も担う。攻守両面で、チームの機能を支える存在だった。
スタッツは第1戦が27分00秒で11得点3アシスト、第2戦が22分26秒で11得点3リバウンド。出場時間帯の得失点を示す「貢献度」では、それぞれチーム2番手となる「+3」「+9」を記録した。第2戦の第4クォーター残り1分37秒には試合を決定づける3ポイントを沈めたが、原の価値は数字以上に、試合の構造を整える役割にあった。
「初戦は負けましたが、天皇杯で優勝したA東京相手にしっかり戦えたので手応えはありました。途中からPGで起用してもらい、自分の良さを出せたと思います。ピック&ロールでも、自分にアシストがつく、つかないに関係なく、ナジィ(ナシール・リトル)やDJ(ディー・ジェイ・ホグ)が気持ちよくプレーできるようにセットできたことが大きかったです」
千葉Jは昨年末、インサイドの要ジョン・ムーニーが負傷離脱。影響はリバウンドやディフェンスにとどまらず、スクリーンセットやピック&ロールの機能性にも及んだ。「俯瞰して物事を見る」視点を持つ原は、不足部分を埋める役割を自ら引き受けてきた。
「ムーニーが離脱した当初は、スクリナーになる選手が少なく、そこを自分がカバーしなければいけませんでした。ただ、自分の強みとチームが必要とする部分が違っていて、少し難しい時期でもありました」
状況を変えたのが、1月下旬に加入した45歳のジェフ・ギブスと、208センチのフィリピン代表、クエンティン・ミロラ・ブラウンである。ムーニーの代役を完全に務めることはできなくとも、試合を重ねる中でスクリーンセットやフィジカルなプレーといった役割を担い始めた。それに呼応するように、リトルやホグといったスコアラーもスクリーンや(リング方向への)ロールの動きを意識し、オフェンスに連動性が生まれていった。
「ナジィやDJは、本来はそうしたプレーはやりたくないと思います。でも、彼らがスクリーンをセットしてロールすることでミスマッチを生み出せる。ペイント内に入れば、たとえパスをもらえなくても相手の守備を収縮させられる。そうなると相手は嫌がるはずです」
天皇杯準々決勝敗退後、再開されたB1リーグ戦・琉球ゴールデンキングスとの初戦ではホームで31点差の大敗を喫した(1月24日)。トレヴァー・グリーソンヘッドコーチは「序盤からの積極性不足」を問題視し、翌日から先発陣に手を入れた。そのなかで原も先発から外れたが、「彼はどんな立場でも全力を尽くしている」という評価は変わらない。原自身もまた、役割の変化を意に介してはいない。
「それはコーチがチームに必要だと感じて下した決断です。スタメンで出ることよりも、プレータイムを長くすることを目標にしているので、そこが減るわけではなかった。むしろチームの流れが悪い時にゲームチェンジャーとして入ることが重要だと思っています」
チームの現在地についても、原は冷静に見つめる。
「接戦で逆転負けする試合もある。CS常連のような強いチームに対して、自分たちのリズムでできない時にどう対応するかが重要です。それを積み重ねていかなければならない。残り20試合以上ありますが、どんな相手でも自分たちのバスケットを続ければ、優勝できるチームになります」
原が力強く言い切った「優勝できるチーム」に対して、具体的なイメージを問うと、次のような答えが返ってきた。
「相手の弱みを突くことです。千葉Jが勝ってきた歴史の要因は、ミスマッチを突き続けてきたことにあります。スピードでも高さでも、そこを逃さない。
外から見たら(富樫)勇樹も自由にプレーしているように見えますけど、実際は互いに何も言わなくてもミスマッチを探す癖がある。彼と一緒に出ている時間はやりやすいですし、(西村)文男も含めて、千葉Jはそうやって勝ってきた。選手もコーチもその認識を徹底できれば、優勝するチームの一端は見えてくると思います」
千葉Jがどこまで完成度を高めていけるか。その過程で、原修太の価値は、よりはっきりと輪郭を持っていく。
まずは次節(2月14、15日)、大野篤史HC率いる三遠ネオフェニックスとアウェーでの対戦が待っている。大野HCは、原がプロとして成長するうえで大きな影響を受けた指導者でもある。
「ここ2年は三遠にずっと負けているので(公式戦4連敗中)、しっかり準備して勝つことが恩返しになると思います」
文=牧野豊
【動画】B1第22節・千葉JvsA東京GAME2ハイライト