◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体戦(8日、ミラノ・アイススケートアリーナ)  団体で、日本は2大会連…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽フィギュアスケート 団体戦(8日、ミラノ・アイススケートアリーナ)

  団体で、日本は2大会連続となる銀メダルを獲得した。ペアの三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)がSPに続き、世界歴代3位となる155・55点で1位を獲得。世界チャンピオンの貫禄ままに、チームを総合2位に導いた。2014年ソチ五輪に木原と出場した高橋成美さんは「りくりゅう」の躍進に「とても嬉しく、2人に感謝」と語り、日本史上初となるペアの金メダル獲得へ、期待を寄せた。

 世界歴代3位という高得点も納得の「りくりゅう」の演技でした。まず最初に抱いた感想は「隙がない」ということ。スケーティング技術、つなぎの部分を含めて終始流れるような演技で、この点数は妥当だと感じました。木原選手のジャンプのところでわずかにミスがあったため、2人は驚いたかもしれませんが、実力に合った点数でした。

 流れるようなプログラムは、三浦選手のジャンプ前の迷いがなくなったことで生み出されました。技の前の構える時間が短くなり、ジャンプに対する自信が感じられました。構える間には、少し息を落ち着かせたり、跳ぶ瞬間までに『ジャンプに集中します』という独特の、人間味が出るような表情になりがちです。その点、人間味を出すことなく『グラディエーター』の世界で演じる役者の様な表情ができていました。三浦選手の、高い技術のたまものだと思います。

 2人を指導するブルーノ・マルコット・コーチは、演技の最重要ポイントにスピードを挙げる指導者です。「りくりゅう」は常にスピードを意識した練習と、スケーティング技術の練習を絶やさずに行います。互いに息を合わせる能力が高く、加速させるタイミングを合わせることで、効率的に推進力につなげられます。そして、リフトの前などに減速しないのは、2人に信頼関係があってこそ。スピード感を持ったままリフトに入るのは、必ず恐怖心が生まれます。もし信頼関係がなければ、あのスピードで難しい技をこなすことは不可能でしょう。

 日本のペアの活躍が、団体の優勝争いを支えました。ペアが期待されているということに、喜びを感じます。2人からすると、責任や重圧もあり、精神的に苦しい部分もあるかもしれません。しかし、ペア競技が日本のフィギュアスケート界で信頼される存在となり、期待してもらっている競技となっています。この事実は嬉しく、2人に感謝しています。

 「りくりゅう」は今大会、団体と個人をあわせて4回演技をすることとなります。試合というものは、どれほど平常心で臨んでいるつもりでも、精神的に削られていくもの。心理的疲労がたまっていく中で4回滑る大変さはありますが、一度この環境を経験しているというメリットもあります。個人の競技まで約1週間、まずは休息にあてて、いつも通りの調整で臨んでほしいです。個人戦でも、十分金メダルを狙うことができると確信しています。(2014年ソチ五輪代表)