◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(7日・リビーニョ・スノーパーク) 【リビーニョ(イタリア)7日=宮下京香】スノ…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(7日・リビーニョ・スノーパーク)

 【リビーニョ(イタリア)7日=宮下京香】スノーボード男子ビッグエア決勝で、初出場の木村葵来(きら、21)=ムラサキスポーツ=が今大会の日本選手団第1号の金メダルに輝いた。5日の予選を3位で通過し、決勝では高さのある5回転半トリックをそろえて計179・50点をたたき出した。同種目では男女を通じて日本勢初の金。同じく初出場で予選10位通過の木俣椋真(23)=ヤマゼン=も銀メダルを獲得し、日本勢ワンツーを決めた。

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 大舞台に強い男が、会心の滑りでメダルをたぐり寄せた。木俣は横5回転半を2種類のスタンスでそろえ、力強くガッツポーズ。初の五輪で前回王者・蘇を抑え、銀メダルをつかみ、金の木村とワンツーで表彰台を飾った。「技は120%出した。結果も、自分の技もマックスを出せてうれしい」と喜びをかみ締めるように言葉をつないだ。

 上位12位までが決勝に進む予選は10位で通過。日本からリビーニョまで観戦に来てくれた父・慎也さん(46)に活躍を約束し、決勝に臨んだ。横5回転半技を2本そろえ、一時首位に立った。木村に上回られた3本目は逆転を狙い、「やったことがない」という横6回転の大技を“解禁”。惜しくも転倒したが、最後まで攻めきっての銀メダルだ。

 昨年3月の世界選手権金メダルを現地・スイスで見せられなかった父に、メダルを見せにいくと父は泣いていた。「俺はうれしいよ」と向けられた木村は「俺もうれしいよ」と返して、抱き合って喜びを分かち合った。

 雪辱の舞台だった。前回22年北京五輪の代表争いでは、最後の選考大会のW杯スイス・ラークス大会決勝で2度転倒。初の切符に手が届かなかった。年下が次々に台頭する中で「立ち位置は分かっていた」と一度は競技から退くことも考えたが、「何も達成せずに終われない。目標の最終地点は五輪だから」と再び戦いの場に戻った。「五輪に出て、メダルを取れたことが本当にうれしい」と胸を張った。

 16日には、スロープスタイル(SS)が控える。ビッグエアの表彰台で金メダルの木村に「うざいな~(笑)」と冗談めかして言ったが、悔しさがないわけではない。「SSの方が行けると思っているので、色を変えたい。金メダルに」と木俣。逆境からはい上がった男の快進撃は続く。(宮下 京香)