◆大相撲初場所千秋楽(25日、東京・両国国技館) 新大関・安青錦(21)=安治川=が12勝3敗で2場所連続の優勝を達成し…
◆大相撲初場所千秋楽(25日、東京・両国国技館)
新大関・安青錦(21)=安治川=が12勝3敗で2場所連続の優勝を達成した。1956年初~夏場所以来となった3場所連続の優勝決定戦で、西前頭4枚目・熱海富士(23)=伊勢ケ浜=を首投げで制した。新大関の優勝は2006年夏場所の白鵬(元横綱)以来20年ぶり。新関脇、新大関での2場所連続制覇は1936年夏場所と37年春場所(1月)の双葉山以来2人目の快挙となった。春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)は、付け出しを除く初土俵から史上最速となる所要16場所での綱取りに挑む。
連覇を決めた安青錦が、グッと喜びをかみ締めるような表情を見せた。最大6人に優勝の可能性があった大混戦。本割で大関・琴桜を寄り切り、第一関門を突破。優勝決定は、先に3敗を死守して並んだ熱海富士との一騎打ちとなった。右を差して頭を密着させる得意の形を作ったが、相手に差し手を抱え込まれて後退。それでも土俵際で残して、左で相手の首根っこを抱え込んでの渾身の首投げ。体重差は52キロ、幕内最重量192キロの巨漢、熱海富士をぶん投げで、土俵上に仰向けにした。
昭和以降では7人目の新大関優勝だ。息を荒らげながら戻った支度部屋で「信じられない。新大関として場所前から責任感を持ってやってきた。結果をしっかり出せて良かった」と、興奮気味に話した。
看板力士の重圧と闘った15日間だった。師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)に「初日の取組前に花道から逃げたいと思った」と、のしかかるプレッシャーの重さを打ち明けた。終盤戦にさしかかった11日目から眠れない日々が続き、前日の夜は食事が喉を通らなかった。優勝決定戦も先場所は横綱・豊昇龍が相手だったが、今場所は平幕が相手で、番付は自身の方が上。「前回と一緒だったと言うと、うそになる。前回は横綱相手で気楽にやれる部分もあったが、今回は大関として臨んでいるので、少し違った緊張があった」と、番付の重みを痛いほどに感じた。プレッシャーを乗り越えて、双葉山以来の新関脇と新大関の2場所連続優勝。安治川親方は「重圧のかかるところで逃げないで、力に変えて相撲を取った。いい経験になって、これからが楽しみ」と、21歳の大関がまた一つ成長した。
番付編成を担う高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)は、安青錦が春場所で横綱昇進に挑むとの見解を示し「楽しみで仕方ない」と話した。八角理事長(元横綱・北勝海)は「立派だ。(来場所に向け)このままでいい。横綱が2人いるから甘くないが、期待している」と語った。
安青錦自身は綱取りについて「自分で決めることではない。来場所しっかり力を出せれば」と話した。春場所で横綱昇進を果たせば、双葉山、照国に並ぶ大関2場所でのスピード通過、年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士では所要16場所で最速記録(付け出し除く)となり、欧州出身初の横綱となる。歴史を塗り替えるスピード出世で角界の頂点に駆け上がろうとしている。(大西 健太)