◆大相撲初場所千秋楽(25日、東京・両国国技館) 第63代横綱のしこ名を継承したモンゴル出身の旭富士(23)が序ノ口優勝…

◆大相撲初場所千秋楽(25日、東京・両国国技館)

 第63代横綱のしこ名を継承したモンゴル出身の旭富士(23)が序ノ口優勝を飾った。同じ伊勢ケ浜部屋で7戦全勝同士だった蒼富士(22)との優勝決定戦を押し出しで制した。旭富士は21年春に伊勢ケ浜部屋に入門し、原則1部屋1人の外国出身力士枠との兼ね合いでデビューが遅れ、4年半の研修期間を経て、昨年11月の九州場所の前相撲で初土俵を踏んだ。

 初めて番付にしこ名が載った場所で、旭富士が前評判通りの強さを見せた。7戦全勝同士で迎えた優勝決定戦。前相撲や序ノ口の取組の時間帯とは異なり、幕内前で満員の大観衆の前での土俵にも「緊張はなかったけど、雰囲気は違った」と冷静だった。立ち合いで蒼富士を突き放すと、そのまま力強く前進して押し出した。初めての各段優勝を「一日一番、集中した。うれしいですね」と喜んだ。

 蒼富士は同部屋で、神奈川・旭丘高の1年後輩だ。部屋では申し合い稽古で相撲を取ったことはなかったが、今場所中は2人で「優勝争いをしよう」と約束を交わしていた。決定戦の舞台での顔合わせには「同じ高校の後輩なので。うれしかったですね。思い切りいこうと、気持ちで臨んだ」と感慨深いものがあった。

 原則1部屋1人の外国出身力士枠の兼ね合いで入門から初土俵まで、4年半を要した。その間に部屋の関取衆と稽古を重ねて地力を磨き、いつしか“史上最強の新弟子”と称されるようになっていた。入門当時の師匠で現宮城野親方(元横綱・旭富士)のしこ名を受け継ぎ、昨年九州場所の前相撲で初土俵。「親方に感謝ですね。重いですね、名前が」。新弟子から横綱のしこ名を名乗る重責に向き合い、圧勝を続けている。

 序ノ口デビューからの連勝記録は、佐久間山(元小結・常幸龍)の27だ。周囲や関係者の間では記録更新への期待の声が上がるが、本人は謙虚そのもの。「全然まだまだなので。いい成績を残せるように努力したい。一枚でも番付を上げていけるように頑張りたい」と足元を見据えた。将来の夢も「夢とかを人に言わないタイプなので」と胸にしまった。来場所は序二段。一歩ずつ、力強く階段を上っていく。(林 直史)

 ◆旭富士 英毅(あさひふじ・ひでき)本名バトツェツェゲ・オチルサイハン。2002年5月17日、モンゴル・ウランバートル生まれ。23歳。幼少期はバスケットボールやボクシングに取り組む。15歳の18年春に来日し、神奈川・旭丘高で相撲部に入部。21年春に伊勢ケ浜部屋入門。25年九州場所の前相撲で初土俵。名前はモンゴル語でオチル(神)とサイハン(幸せ)の意味。家族は母。185センチ、150キロ。