「卓球・全日本選手権」(25日、東京体育館) 女子決勝は張本美和(17)=木下グループ=が、4連覇を狙った早田ひな(日…
「卓球・全日本選手権」(25日、東京体育館)
女子決勝は張本美和(17)=木下グループ=が、4連覇を狙った早田ひな(日本生命)を4-3で破って、初優勝を果たした。男子決勝は松島輝空(木下グループ)が篠塚大登(愛知工大)を4-0で退け、2連覇を達成した。2012年、13年全日本選手権女子シングルス覇者で、2012年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪団体メダリストの福原愛さんが、3大会連続の顔合わせとなった女子決勝を分析した。
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張本選手は苦しい試合を勝ち抜いて、決勝でギアが一段階上がりました。早田選手もいいプレーの連続で、紙一重の戦い。ミドルやストレートを多く使いながら、張本選手の攻める姿勢が少しだけ上回った印象です。
ポイントは2ゲーム目だと思います。9、10点目はゆっくり中陣に下がって、タイミングを取ってドライブしていました。これまでの張本選手なら思い切って攻めて決まる感じでしたが、そういうボールを使うようになっていき、ボールに緩急をつけていました。
今の日本の選手で、あそこまで中陣に下がって、回転をかけて、フォアドライブをする選手は、ほぼいないといっても過言ではありません。17歳でこういうボールが打てるのだと驚きました。
卓球って、前半にやったことが、じわじわと後半に生きてくることがあります。その1点だけを見るのではなく、総合的に見た時に、もしかしたら次にあのボールが来るかもしれないと予感します。相手からすれば「かもしれない」ということが増えていって、準備できなくなっていきます。
張本選手は途中で逆横回転をかけるYGサーブを出しましたが、あのサーブは身長がないと出せません。私のような身長では、手が短いのと、懐がないので出せません。ボール一球一球に重厚感があり、思い切りの良さも目立ちました。体格も恵まれていて、コース取りや戦術の変換が早いのも張本選手の強みです。
今大会を見て、全日本選手権を勝ち抜くには五つのことが必要だと感じました。一つ目は勇気を出してサーブに変化をつけられるかです。張本選手はYGサーブに変更しましたが、勝っているときでも変化していくことは、勇気がないとできません。
二つ目はレシーブミスをしていないか。三つ目はストレートに攻撃できるか。四つめは思い切って攻められるか。五つめは相手が好調のときにしのげるか。決勝を見て、張本選手は五つ全てをクリアしていました。
今の女子卓球界は早田選手と張本選手の2強です。伊藤選手と平野選手が6回戦で負けてしまいましたが、私としては一緒に戦ってきた仲間。2人には頑張ってほしいです。団体戦などを考えても、2人では勝てません。あと1人ないし2人が出てきてくれたら…と陰ながら応援しています。