<大相撲初場所>◇千秋楽◇25日◇東京・両国国技館大関安青錦(21=安治川)が2場所連続2度目の優勝を果たした。安青錦の…

<大相撲初場所>◇千秋楽◇25日◇東京・両国国技館

大関安青錦(21=安治川)が2場所連続2度目の優勝を果たした。

安青錦の師匠、安治川親方(47=元関脇安美錦)は、15日間をともに闘った。初日の早朝、午前4時44分に目覚めた。不吉な数字の並びが気になり、東京・渋谷区の明治神宮に駆け付けて神頼みをした。弟子には平常心を心掛けさせ、師弟の夢へ前進した。

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審判部の安治川親方はビデオ係として、ビデオ室で優勝の瞬間を見届けた。本割も決定戦も、映像を見直すことも必要もなかった。「よかった。(熱海富士に)差されて、どうかなと思ったけど、体が反応していた」。胸をなで下ろした。

安青錦が新大関の場所を迎え、師匠も高ぶっていたのかもしれない。初日の朝、早く目が覚めた。スマホを確認すると午前4時44分だった。4並びに、嫌な予感がした。

たまらず車を運転して、1人で東京・渋谷区の明治神宮へ向かい、午前中に参拝した。「弟子たちがケガをしませんように…」。手を合わせて祈った。「年明けに初詣に行こうと思っていたので。今年中にまた来ますと、お祈りしました」。横綱に昇進すれば、明治神宮で奉納土俵入りを行う。そんな願掛けもして迎えた初場所だった。

苦しむ安青錦を見てきた。「毎日、平然と相撲を取っているように見えるかもしれないけど、しんどい思いもしている。(序盤は)『花道から逃げたいと思った』と言ってきた。終盤の方が落ち着いて取ってる。重圧をしっかり受け止めて相撲を取っている。それも含めて大関なんだと理解してきたんじゃないかな」。

千秋楽前夜「食べるのがしんどい」と言う安青錦に「ユンケルスター」を渡し「元気出して頑張れ。あと1日だから」と励ました。「普通に相撲を取ってこい。普通に取れば大丈夫だから」。信じて送り出した。

安青錦の稽古での番数は多くない。その分、集中する。安治川親方は「四股とすり足しかやってない」と話す。八角理事長(元横綱北勝海)は14日目に「番数が少なくてこれだけ取れるのは天才」と言った。増量を見込み、体作りも発展途上にある。それでも、独特の前傾は簡単に攻略されなかった。

安青錦は連勝している本場所中に締め込みを変えた。当人は合口を気にせず、験担ぎもしない。神頼みをした安治川親方は言う。「代わりにオレが験を担いでやる」。

来場所は、師弟で綱とりに臨む。「オレの方がしんどいよ(笑い)。勝ち負けどうこうじゃなく、大関として勉強になったと思う。少しでも良くなるように、今までと同じスタンスで、今までやってきたことを信じてやっていきます」。信じた結果は、来場所へつながった。【佐々木一郎】