◆大相撲初場所14日目(24日・両国国技館) 4敗の横綱・大の里が、2敗で単独首位だった新大関・安青錦を押し倒し、千秋楽…
◆大相撲初場所14日目(24日・両国国技館)
4敗の横綱・大の里が、2敗で単独首位だった新大関・安青錦を押し倒し、千秋楽で最大6人に優勝の可能性が残る大混戦を演出した。2場所連続制覇を狙う安青錦は3敗に後退。西前頭4枚目・熱海富士は関脇・霧島との3敗対決を浴びせ倒しで制し、安青錦と並んでトップに立った。賜杯争いは安青錦、熱海富士を1差で大の里、霧島、平幕の阿炎、欧勝海の4人が追いかける。
これが横綱の意地だ。大の里が、新大関を豪快に吹っ飛ばした。立ち合いで安青錦にもろ手で当たって突き放すと、強烈な右のど輪で起こす。左でおっつけると逃げる相手を右で押し倒し。わずか2秒7。今場所初の4連勝で「下から入れば行けると思った。左も前に出てくれた」とうなずいた。八角理事長(元横綱・北勝海)も「右が効いた。横綱の力をみせつけた。こんないい相撲は(今場所)初めて」とたたえた。
安青錦には過去3戦全勝だったが、先場所は安青錦に当たった際に左肩を痛めた。優勝争いしながら千秋楽を「左肩鎖関節脱臼」で休場した。「先場所は左肩がああなったので、考えてやった」。患部に負担をかけないよう注意を払いつつ、攻めた。恐怖心も出てきそうだが、「あと2番なので腹くくっていこうと思った」と逃げなかった。「ここ数日は下半身が安定してきた」とリハビリ中だった昨年12月に上半身を動かせない分、下半身を鍛えた効果が出た。
3敗の安青錦、熱海富士を1差で大の里ら4人が追う。3敗勢が敗れ、大の里が過去に本割で2勝8敗の豊昇龍を倒せば逆転優勝の芽が出てくる。それでも横綱は「明日勝っても11勝4敗。11番は優勝ではないかなと思っているので、あと1番勝って来場所につなげたい」と淡々。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)には「13勝以上が優勝」と発破をかけられており、気に留めなかった。
場所前から左が万全でなく8日目から3連敗。新入幕だった24年初場所以来の屈辱も味わった。休場も心配される中、2ケタ勝利に到達。13日目を終えてトップと2差からの逆転Vとなれば、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降初めてだ。「連敗したときに勝ち越しもできるかわからなかったが、2ケタいけたのは大きい」といつもの自信ある表情に戻った。昨年春、秋場所は優勝決定戦を制し、賜杯を抱いており大一番は得意。苦しみから解き放たれ、無欲のまま土俵に立つ。(山田 豊)