「大相撲初場所・13日目」(23日、両国国技館) 熱海富士が初優勝への可能性を残した。阿炎との3敗対決を突き落としで制…
「大相撲初場所・13日目」(23日、両国国技館)
熱海富士が初優勝への可能性を残した。阿炎との3敗対決を突き落としで制した。静岡出身力士で初、史上初となる連敗スタートからの賜杯を狙う。新大関安青錦は横綱豊昇龍を上手投げで破り、2敗と単独トップを守った。関脇霧島は獅司との3敗対決を寄り切り、大関経験者が13場所ぶり3度目の復活優勝を狙う。大の里は大関琴桜を寄り切り9勝目。熱海富士は霧島との3敗対決に臨み、安青錦は勝ったことがない大の里に挑む。
熱海富士は強烈なかち上げにも動じなかった。立ち合いは左で踏み込み、さらに右を出した。体を開いてバランスを崩した阿炎を左で突き落とし、勝負を決めた。
3敗で賜杯争いに残った。安青錦戦からの連敗は阻止。NHK解説を務めた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)は珍しく「いつもなら立ち合いで食っていたかも。今場所は足を前に出す意識をいつもよりしている。落ちなかったのが良かった」と称賛した。
先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)や現師匠から稽古場、解説で常に「何がしたいのか分からない」「脇が甘い」と酷評され続けていた熱海富士。いつしか、支度部屋で口を開くことが少なくなった。この日は序ノ口で7戦全勝とした付け人の蒼富士を、囲んだ記者に紹介し「7連勝したんで。僕のことはいいので」と引き揚げた。
静岡県熱海市出身。飛龍高から入門し、19歳の22年春場所で新十両。23年秋場所では優勝決定戦に進んだ。全国で優勝力士を輩出していない11府県(宮城、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄)からの脱却へ、史上初の連敗スタートからの賜杯を狙う。
八角理事長(元横綱北勝海)が「阿炎が踏み込まれたから自分で崩れた。前に足が出てるから、相手は滑らされた。稽古の差ですよ」と評価する。場所中も義ノ富士らと相撲を取る環境で力を付けてきた大器が、1差で大きな獲物を狙う。