◆テニス ▽全豪オープンテニス第6日(23日、メルボルン・ナショナルテニスセンター) 【メルボルン(オーストラリア)23…
◆テニス ▽全豪オープンテニス第6日(23日、メルボルン・ナショナルテニスセンター)
【メルボルン(オーストラリア)23日=吉松忠弘】3度目の優勝を目指す世界ランキング17位の大坂なおみ(フリー)が、今年いっぱいで引退を表明している同41位のソラナ・チルステア(ルーマニア)との2回戦で、試合後の口論が話題となり、一夜が明けた。
日本では「騒動」として広がっているが、現地では、あっという間に沈静した。この日の朝、大会を独占放送しているテレビ局の「チャンネル9」は、前日の大坂の試合にある程度の時間を割いた。しかし、それは、大坂の次戦の相手が、女子シングルスで、ただ1人残っている地元オーストラリアの選手だからだ。会場にいる報道陣の間では、話題にも上らない。
事実だけを確認しておこう。きっかけは、最終セット、大坂が4-2リードの時だ。チルステアがサーブで30オール。チルステアの第1サーブはネットにかかりフォルトだった。打球コースに走った大坂が、リターンの位置に戻りながら、下を向き、太ももをたたいて「カモン」と言っている。小さな声だった。
第2サーブに入る前、チルステアは主審に「第1と第2サーブの間にカモンと言っていいのか」と問いかけた。主審は「サーブのトスアップ前なら構わない」と、サーブの動作に入る前なら問題ないと答えている。それだけだ。
結局、大坂は4-2から2ゲームを連取し、勝利を手にした。チルステアが主審に問いかけて以降は、お互いに何も問題はなかった。試合後、両者はネットに歩み寄り、握手を交わした。しかし、その握手の仕方が、やや強めで、チルステアが少しにらみつけたような態度だったことも事実だ。
これに大坂が反応し、「どういうこと?」と声をかけた。これが引き金となった。チルステアは、少し怒るような形相で「何?」と反応。続けて「あなたは、長くテニスをやっているのにスポーツマンシップを分かっていない」と言い放った。
チルステアは、試合後の会見で「最後の5秒ぐらいの出来事など、20年間プレーしてきた全豪のことに比べれば、話すことなどない」と、会話の内容や気持ちを明らかにすることはなかった。大坂は、「こんな経験は初めて。困惑している」とし、「もし怒らせたら謝りたい」とした。大坂の戸惑いは明らかだった。
これがおおむねの流れだ。ここから先は想像になるが、つまり、チルステアは最後の全豪で、2度の優勝を経験している強豪、大坂に勝てるかもしれないと思った。しかし、最終セット2-4。これ以上、差を広げられたくない。そこに「カモン」が聞こえ、いらいらが募った。
大坂は、いつも劣勢を挽回したり、大事なポイントを奪うと、「カモーン」と大きな声を上げる。確かに、それを耳障りだと感じる選手もいるだろう。打つ度に声を上げるシャラポワやサバレンカらは、たまに非難の的にさらされる。それと同じだ。
コートのネット上での口論は、テニスではままある。1対1のプロの個人競技で、勝負にいざこざはつき物。これが口論の正体だ。