◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 想像をはるかに超える“神ラン”だった。1月2日、箱根駅伝5区。私は社内で紙面レイア…

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 想像をはるかに超える“神ラン”だった。1月2日、箱根駅伝5区。私は社内で紙面レイアウトの準備をしながら、テレビで青学大・黒田朝日の「シン・山の神」誕生を見ていた。同時に思い出した。11年前の歴史的シーンは「痛恨」のテレビ越しだったと。

 2015年1月2日。故郷の兵庫から前日に上京し、往路の沿道にいた。小学5年生からテレビで見続け、念願の現地生観戦。電車で移動しながら各区のランナーを見届ける、いわゆる「追っかけ観戦」にチャレンジしていた。

 1区の京急蒲田駅前から始まり、2区・保土ケ谷駅前では各校エースの雄姿を目に焼き付けた。計画は順調に見えたが、3区の藤沢駅北口では最後の4人ほどしか見られなかった。完全に後手に回った。

 焦りながら5区に向かった。箱根登山鉄道の大平台付近で降りようともくろんでいたのに、行く手に絶望的な光景が広がった。乗り換え駅の箱根湯本は人、人、また人。改札の中にすら入れない。5区を箱根山中で観戦するには、朝から直行すべきだったのだ。

 結局「追っかけ」はかなわず、トボトボと箱根湯本の宿泊先へ向かうと、ロビーの大型テレビに人垣ができていた。画面の中で青学大の小柄なランナーが先頭を抜き去り、往路初優勝のゴールテープを切った。彼の名は神野大地。「3代目・山の神」を箱根にいながらテレビ越しに目撃したのは、切ない気分だった。

 復路は早めに大手町のゴールに向かい、青学大の初Vを見届けた。まさか、その2週間後に東京異動を知らされ、箱根駅伝の紙面制作に関わることになろうとは。転勤後、現地観戦は果たせていない。行ってみるか。リベンジの5区へ。(レイアウト担当・山本 貢雄)

 ◆山本 貢雄(やまもと・たかお)2004年入社。大阪編集局から15年3月に東京編成部へ。