<大相撲初場所>◇12日目◇22日◇東京・両国国技館大関経験者で東前頭16枚目の朝乃山(31=高砂)が、3敗を守って優勝…

<大相撲初場所>◇12日目◇22日◇東京・両国国技館

大関経験者で東前頭16枚目の朝乃山(31=高砂)が、3敗を守って優勝争いに踏みとどまった。幕内最年少の西前頭7枚目藤ノ川との初顔合わせを押し出した。

勢いよく相手に1度、突っかけられた後の2度目の立ち合いは、相手に左を差されて得意の形にはなれなかった。だが即座に振りほどき、突いて出た。そこから相手に右を差され、すくい投げを打たれても、前への圧力をかけ続けた。すると、すくい投げの隙をついて左は抱え、相手の動きを止めて土俵際に追い詰め、最後は突いて土俵外へと追いやった。今場所2度目の4連勝で9勝3敗。大関安青錦と前頭熱海富士の2敗対決が取組前だが、少なくとも1人は残るトップの2敗を、1差で追う展開を守った。

初顔合わせの相手だったが「思い切りのいい、きっぷのいい相撲を取ってくる」と、ガムシャラに向かってくることは想定内だった。その中で「しっかりと相手を正面に置くことができた。相手が離れたところで、うまく突っ張りで押せた。膝もうまく動いてくれいる」と、体の反応も良くなってきた実感を覚えたという。

前日21日の11日目は、母校富山商高の元監督で、17年に40歳で亡くなった浦山英樹さんの命日で、節目を白星で飾っていた。8日目は敗れたが、同じく母校近大の元監督で、20年に55歳亡くなった伊東勝人さんの命日。さらに稽古始めの今月3日には、東京・文京区の護国寺に眠る、入門時の師匠で元大関朝潮の先代高砂親方、長岡末弘さんの墓前に手を合わせた。長岡さんは23年11月に67歳で亡くなったが、昨年10月に納骨されたことを受け、初めての墓参りだった。例年以上に今年の初場所は、3人の恩師への感謝の思いを強めて臨んでいた。

前日の取組後には「自分がどれだけはい上がれるか、見ていてほしい」と、命日の浦山さんに向けた言葉を残した。取組は前頭平戸海を、浦山さん直伝の右四つで寄り切った。2度も幕内から三段目まで番付を下げても、再び幕内に返り咲いたのは史上初。身に着けた型を成長させてきた。

目指してきた7年ぶりの復活優勝へ、残るは3日間となった。3敗を守り続けることができれば、優勝争いのライバルを引きずり降ろすことになる。優勝、または優勝決定戦に進む可能性は極めて高い。場所前に「また(午後)5時台に相撲を取りたい」と、幕内後半戦で取ることを願っていたが、早々にその機会がやってくることになりそうだ。

この日の取組後も「もしも上位とあたることになったら、思い切りいくだけ」と、力強く話した。優勝争いの緊張感があるか問われると「ないです」と即答。続けて「1日1番、思い切って土俵に上がっている。充実感、疲労感もありながら、土俵に上がることができている」と力説。優勝争いへの気負いはない。