アイスホッケー女子日本代表は、2月6日開幕のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)で4大会連続5度目の祭典に挑む。メダル…
アイスホッケー女子日本代表は、2月6日開幕のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)で4大会連続5度目の祭典に挑む。
メダル獲得を目指し、20日に直前合宿の地ドイツに旅立った。18年平昌大会で初勝利を挙げ、22年の北京大会ではグループリーグ突破と実績を重ねてきたスマイルジャパン。だが一方で、国内のプレー環境にはまだまだ課題も多い。他国に比べてプロ化は進まず、施設数、競技人口も少なく、少年少女がアイスホッケーに取り組む下地も整備されていないのが現状だ。
自身は現役を引退し、今季から道路建設ペリグリンの指揮を執っている新谷誠監督(32)は、「一番の課題は下のカテゴリーの普及」にあると見ている。アイスホッケーが盛んな苫小牧でさえ、市内にある4つの屋内リンクのうちひとつは3月で閉館予定。また子どもたちの指導を行っているのも「熱心なお父さんやお母さん」(同監督)が多いのだという。
スマイルジャパンの選手たちも、仕事と競技を両立しながらプレーを続けている。同じように指導者もプロ契約ではなく、仕事の傍らでチームに携わる。女子日本リーグや全日本選手権で優勝するようなチームですらそうなのだから、指導者もなり手が少ない。競技を始める小学生世代、本格的に取り組み始める中学、高校世代、どちらも指導者の人材不足は深刻だ。自身の待遇は恵まれているほうだと言う同監督も、アイスホッケー界全体を見渡せば「危機感を持って変えていかなければいけない。選手のためにもならないし、指導者も育たないと思っています」と話す。
なかなか大きく変わらない国内アイスホッケーの環境だが、その進度が急速に変化するタイミングがある。それが、4年に1度の五輪イヤー。4大会連続の出場となる主将・小池詩織(32)は、「五輪を経験していく中で、(国内の)環境がどんどん変わっていくっていう過程を私も見てきた。オリンピックが持つ力って本当にすごい」と実感している。初のメダル獲得を目標に掲げる今大会。悲願が成就されれば、かつてないほどの追い風が吹く可能性もある。小池は続ける。「いままでつないできてくれた先輩たちのおかげで、私たちはここに立つことができている。日本に、アイスホッケー界に、私たちがどういうメッセージを残せるか。それによって今後の歴史が変わっていくと思う」。五輪での日本人選手の活躍をきっかけに、競技人口が増えたり、プレー環境が整備されていくのはどのスポーツにも起こってきたこと。女子アイスホッケー界の未来、子どもたちの将来を背負って、スマイルジャパンの23人はミラノのリンクに立つ。【本間翼】