“それなり右腕”の覚悟がこもった。巨人山崎伊織投手(27)は常々言う。「それなりにこなせるタイプなんで」。21日、川崎市…

“それなり右腕”の覚悟がこもった。巨人山崎伊織投手(27)は常々言う。「それなりにこなせるタイプなんで」。21日、川崎市のジャイアンツ球場で公開した自主トレでも「あんまりすごい球はないんで。気合で頑張ってます」と精神論に話を向けた後に「それなり」発言が続いた。

飛び抜けた武器がない。ただ、その自覚が階段を上らせてきた。「打者を見て投げたり、考えながら投げるのは比較的、プロの最初の方から」と頭はフル回転。「最初はほんまにしんどかった。正直、抑えられる気もしなかった」。

ただ、弱音は首脳陣、仲間の前で押し込めた。「なんとか抑える。自分の中の戦い方とかは少しずつ身についた。それが生きてますね」。東海大4年で受けたトミー・ジョン手術のリハビリで始まったプロ生活は、22年から5勝、10勝、10勝と積み上げ、昨季は11勝で勝ち頭。先発の柱になった。今オフ、阿部監督は言った。「(開幕戦は)伊織でいってほしい」。

その期待を聞けば、「行けるように準備はしていく。1年の始まりの大事な試合」と静かな覚悟が生まれた。「毎年なんか良くしようと思わないとダメ。突出したもんがないんで、全部を上げる」。球速、制球、体力。そこに知略を絡める。3月27日、阪神との開幕戦。“それなり”がそれなりではない努力を続けてきたからこそ、立てる舞台がある。【阿部健吾】