卓球の全日本選手権は20日、東京体育館で開幕する。女子シングルスは2024年パリ五輪銅メダル・早田ひな(25)=日本生…
卓球の全日本選手権は20日、東京体育館で開幕する。女子シングルスは2024年パリ五輪銅メダル・早田ひな(25)=日本生命=が4連覇に挑み、前回準優勝で成長著しい張本美和(17)=木下グループ=が初制覇を狙う。
4連覇がかかる早田に気負いはない。前回も無欲で戦った大会だった。24年8月のパリ五輪女子シングルス準々決勝で左腕を負傷した。同年の11月下旬に実戦復帰したばかりで、万全にはほど遠かった。「不安もあって、どこかで諦めている自分がいた。どこで負けても仕方がない」。思うような動きができない現実を受け入れて臨んだが、25年1月の全日本選手権の初戦、4回戦から苦しい試合が続いた。
当時、準々決勝後には左腕に鈍い痛みを感じた。痛み止めを飲んでコートに立った最終日。棄権と隣り合わせの状況だったが、試合に入ると、不思議なほど目の前のプレーに集中できた。準決勝で大藤沙月、決勝で張本美和に4―0と圧巻のパフォーマンスで3連覇を達成した。「まさか優勝できるとは思っていなかった。自分に期待していないからこそ、何も考えずにプレーができて勢いがあった。卓球は面白いなって。(パリ五輪後の競技人生の)シーズン2を頑張ろうと思えた大会だった」と振り返った。
その後も左腕の痛みやしびれには悩まされたが、昨年の9月頃から手首の動作に制限がなくなった。不安なく練習や試合に打ち込める状態になったからこそ、今は目の前の勝敗よりも、28年ロサンゼルス五輪に向けて進化を求める気持ちが強い。「自分を変えたいと思っているタイミングなので、いろんな挑戦だったり、卓球を楽しいと思えることが大事」と足元を見据えた。
連覇を重ねて増していた重圧は、これまでと違ったメンタルで戦った前回大会を経て、リセットされた感覚もある。4連覇を果たせば1992~97年に6連覇した小山ちれ以来。5度目の頂点も8度の小山、7度の星野美香に次いで歴代3位タイの記録となるが「4連覇は無理に目指そうとしなくても、勝負の勘は自然に出てくると思うので、そこの感覚に任せたい」。自然体で15度目の全日本に挑んでいく。(林 直史)