東京6大学野球の慶大・常松広太郎外野手(4年=慶応湘南藤沢)が19日、横浜市の同大日吉キャンパスで記者会見に臨み、米大リ…
東京6大学野球の慶大・常松広太郎外野手(4年=慶応湘南藤沢)が19日、横浜市の同大日吉キャンパスで記者会見に臨み、米大リーグのカブスとマイナー契約を結んだ理由を語った。米金融大手「ゴールドマン・サックス」の内定を辞退し選んだ米球界挑戦。同じチームに在籍する鈴木誠也外野手(31)や今永昇太投手(32)との対面を心待ちにし、アーロン・ジャッジ外野手(33、ヤンキース)と「ホームランダービーで戦う」ことを目標に掲げた。3月上旬までに渡米し、キャンプ地に入る。
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どんな時でもフルスイング-。小さくまとまらない豪放磊落(らいらく)な常松の性格は、大手総合商社「三井物産」に勤めた父広一さん(66)の影響が大きかった。阪神ファンの父は1人息子に「虎之助」と名付けるかどうか悩むほど野球好き。小学1年ごろに野球を始めたわが子も、好きなことはトコトン突きつめる気質があった。
「素振りが好きで、どんなに疲れても家に帰れば欠かさなかった。私が家にいたら見てほしいと言ってきて、思えば小学校から高校までの親子の会話は素振りの時間が大半でした」と懐かしむ。ニューヨーク赴任時代には、親子で野球、バスケット、アメリカンフットボールの試合観戦に訪れた。スポーツの本場で「本物」を見た経験が、常松の思考に大きな影響を与えたことは言うまでもない。
野球以外の面では「欲しい本があれば、どんどん言ってこい」と読書を推奨した。北方謙三や城山三郎作品、司馬遼太郎の「坂の上の雲」「竜馬がゆく」をはじめとする名著に触れた体験が、型にはまらない柔軟な性格を育んだ。「『せっかくの人生だから、唯一無二になりたい』と言うんですよ。22歳の時に自分は全く考えなかったですよ」と、頼もしい息子の姿に目を細めた。
ゴールドマン・サックスか、カブスか-。本心は「ゴールドマンの方が…」と思っても、究極の選択で揺れる息子の考えを最後まで尊重した。「本人がどうしたいか。自分で決めないと、難しい状況になった時に踏ん張りがきかないだろうと思って」。晴れてカブス挑戦を決めたことで「あとは見守るだけ」と変わらない姿勢だ。
「野球では『ずっとホームランを狙え』と言っていましたね。(ボールに)当てるようなことは絶対しなくていい。コンタクト率が低いのは本人も自覚しているけど(当てる打撃は)怖くないじゃないですか」。小さくまとまる必要はない。神宮を沸かせた豪快な打撃を、引き続き期待している。【平山連】
◆常松広太郎(つねまつ・こうたろう)2003年(平15)10月27日生まれ、米ニューヨーク州ライ市出身。小4から小6までは商社マンの父の仕事の影響で米ニューヨーク州に在住した。中高と慶応湘南藤沢を経て、慶大では3年春からメンバー入り。好きな有名人はゴールドマン・サックスのジョン・ジョイス。大事にしている言葉は「粗にして野だが卑ではない」。大学通算4本塁打、19打点、打率2割6分3厘。185センチ、89キロ、右投右打。