<大相撲初場所>◇9日目◇19日◇東京・両国国技館横綱大の里(25=二所ノ関)が、2日連続の完敗を喫した。小結若元春に見…
<大相撲初場所>◇9日目◇19日◇東京・両国国技館
横綱大の里(25=二所ノ関)が、2日連続の完敗を喫した。小結若元春に見せ場なく、わずか3秒5で寄り切られた。前日18日の8日目は、前頭伯乃富士に一方的に押し出されて金星を配給。結びの一番の大役を担った6年ぶりの天覧相撲で、史上初めて横綱、大関の上位総崩れを許した。横綱4場所目で初めて見せる連日の完敗は、昨年11月の九州場所千秋楽を休場する要因となった、左肩痛の再発を思わせる内容。前頭熱海富士に金星を配給した豊昇龍とともに両横綱が3敗目を喫し、優勝争いに後がない状況に追い込まれた。
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前日の天覧相撲で漂い始めた暗雲が、本格的に広がってしまった。大の里は立ち合いに、もろ手突きを選んだが押し込めなかった。けんか四つの若元春に、あっさりと相手得意の左差しを許し、そのまま寄り切られた。2日連続で土俵際の粘りもなく完敗した。横綱昇進後の通算成績は41勝13敗で、連敗は先場所に続き2度目。ただ、先場所は前に出ながら引き落とされた取組もあった。圧力も粘り腰もない棒立ち連敗は、明らかな異常事態発生だ。
「もう1回、しっかりと体と気持ちをつくって取り切るしかない」。取組後、自らに言い聞かせるように話し、10日目から休場という選択肢を全く見せず、巻き返しを期していた。天覧相撲では伯乃富士に完敗しており「立ち合いがあまり良くなかったので、当たろうという意識だった」と、この日のもろ手突きの立ち合いを振り返った。ただ他ならぬ対戦した若元春が証言。「僕の立ち合いが早かったのかもしれないけど、離される感覚はいつもよりなかった」。持ち前の圧力は、激減していたという。
打ち出し後、師匠二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は険しい表情で、終始吐き捨てるように言った。「ただ弱いだけ。いいも悪いも分からない相撲。痛み? 本人に聞いてみたら。今日の相撲も、昨日の相撲もいただけない」。2横綱、2大関総崩れとなった天覧相撲で、最後のとりでになることができず、両横綱連敗という最悪の流れを呼び込んだ、愛弟子の責任は重いとばかりの言動だった。
先場所は千秋楽を左肩鎖関節脱臼で休場した。その後の冬巡業を全休。今場所前は出稽古で前頭平戸海、大関琴桜に苦しめられた。調整遅れは明白。ただ2月には3日の節分会で関東3カ所を回り、中旬には横綱昇進披露宴も予定。関係者によると「予定の変更は原則ない」とあって、簡単に休場したくない事情もあるのかもしれない。大の里は終始、左肩について言及せず「目の前の1日一番が大事になっている」と力説。休場か強行出場か、決断が迫られる。【高田文太】