<大相撲初場所>◇9日目◇19日◇東京・両国国技館大関経験者で東前頭16枚目の朝乃山(31=高砂)が、連敗せずに6勝目を…
<大相撲初場所>◇9日目◇19日◇東京・両国国技館
大関経験者で東前頭16枚目の朝乃山(31=高砂)が、連敗せずに6勝目を挙げた。取組前まで通算3戦全勝の前頭翔猿に、4度目の対戦でも勝ちきり、6勝3敗とした。立ち合いから相手に左を固められ、得意の右差しを封じられたが、構わずに前に出た。たまらず引いた相手の隙を逃さず、右を差すと、そこからは何もさせずに寄り切った。
「何をしてくるか分からない相手。離れたり、中に入られたりすると強い相手。立ち合いで右は入らなかったけど、攻めてから差し込んだ時に(相手が)引くのが見えて、うまく足を運べた」。取組後、冷静に取り切った一番を振り返った。
前日18日の8日目は、母校近大の元監督で、20年に55歳亡くなった伊東勝人さんの命日だった。恩師の命日に対戦したのは、中退してプロ入りしたとはいえ、近大の3学年後輩の錦富士。取組前の朝稽古後には「監督の命日に近大の後輩と当たるというのは縁を感じる。いい相撲を見せるしかない」と、天国の恩師に褒めてもらえるよう、全力の取組を約束していた。だが、相手に一方的に攻められる完敗だった。
前日は今場所3敗目とはいえ、好内容だった2敗目までとは違い、一方的に敗れた。その取組後は「しっかり修正して、前に出る相撲を取らないと。昨日(7日目)までは悪くなかったけど、今日はふがいない相撲を取ってしまった。切り替えてやるしかない」と話し、表情を引き締めていた。この日の取組後も「昨日(8日目)は、今場所1番、ふがいない相撲を取ってしまった。自分自身に腹立たしい気持ちがあった。ただ、引きずるとダメ。うまく切り替えられた」と、うなずいていた。常に自らに言い聞かせている「前に出る」という原点に回帰してつかんだ、大きな白星となった。
また、前日は天覧相撲だったが、天皇、皇后両陛下、愛子さまが観戦されたのは幕内後半戦で、自身は幕内前半戦の取組だった。6年前の前回、天覧相撲の20年初場所14日目は、関脇として大関貴景勝を破っていた。当時を思い出しながら「また天皇陛下の前で、幕内後半戦で取っていられるように戻りたい」と、番付を戻す新たなモチベーションにしていた。