◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 25年のベストレースを聞かれたらジャパンCと答える。フランスのカランダガンによる2…

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 25年のベストレースを聞かれたらジャパンCと答える。フランスのカランダガンによる20年ぶりとなる外国馬の勝利は、ただの「1勝」ではなかったからだ。

 1981年に始まった日本初の国際G1は、創設当初こそ外国馬の優勝が続いたが、1990年代に入ると日本馬が台頭。21世紀は外国馬の勝利どころか出走自体がゼロ(19年)にまで落ち込んでいた。日本馬のレベルアップ、日本と欧米の芝の違いなどが理由に挙げられるが、ジャパンC復活に向けてJRAは地道に対策を続けてきた。

 22年に国際厩(きゅう)舎を新設して環境面を改善。26年からは1着(5億円)に加え、凱旋門賞など世界の主要G1を制した馬が勝った場合、約7億8000万円の褒賞金を受け取れるよう改正した。合計約13億円にもなる1着賞金はサウジC(約15億円)に次ぐ世界2位となる計算で、昨年のカランダガンのジャパンC制覇は宣伝効果としては最高のタイミングだった。

 歴史的な一戦に尽力したJRA国際部の高松知之部長に話を聞くと、いかにこの勝利が重要だったかが伝わる。「世界最高峰の馬が来れば結果を残せるということが示されましたし、個人的な感情ではありますが、心が震えて泣きそうになりました。本音を言うと、心からホッとしたんですね。この馬でダメだったら…という思いもありましたから」。レース結果、褒賞金の改正等は欧州の新聞でも大きく取り上げられ、すでに有力馬陣営からの問い合わせが増えているという。「より良い馬が来る期待があります」と高松国際部長が話す通り、今年も日本にいながら世界最高のレースを観戦できそうだ。(中央競馬担当・西山 智昭)

 ◆西山 智昭(にしやま・ともあき)2001年入社。12年から中央競馬担当。