阪神湯浅京己投手(26)が三嶋イズムで完全復活を期す。17日、自身と同じ国指定の難病、黄色靱帯(じんたい)骨化症から復活…
阪神湯浅京己投手(26)が三嶋イズムで完全復活を期す。17日、自身と同じ国指定の難病、黄色靱帯(じんたい)骨化症から復活を果たしたDeNA三嶋一輝投手(35)が現役引退を発表。勇姿と言葉に励まされてきた右腕は、勝ちパターン入りしてのフル回転で恩返しする意気込みを明かした。阪神が春季沖縄キャンプで使う「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」で小幡、茨木とともに自主トレを公開。決意新たに26年シーズンに臨む。
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DeNA三嶋引退。自主トレを行う沖縄で知らせを受けた湯浅は、驚きを隠せなかった。「びっくりしています。いろいろ話を聞かせてもらって、すごく助けていただいたので残念です」。三嶋氏は22年に国指定の難病、黄色靱帯骨化症を発症。過去に例のない革新的な手法で世界で初めて手術を受け、現役復帰を果たした。不屈の闘志は、24年に同じ病を煩った湯浅の背中を押した。
「三嶋さんをはじめ(中日)福さん、(ロッテ)岩下さんと1軍で投げられている姿を見ていたからこそ、手術しても大丈夫と思わせてもらった。自分にとってすごく大きな存在です」
同じ病気と闘うNPB選手らでつくったグループLINEで、何度もアドバイスをもらった。昨年4月29日の敵地中日戦で、レギュラーシーズンでは684日ぶりの1軍マウンドに復帰。計40試合に登板し、2年ぶりのリーグ制覇に貢献した。「今度は自分がそういう存在になれるように頑張りたい。病気になって完全に復活した人はいないといわれている中で、それを払拭できるぐらい活躍している姿を見せられれば、少しは恩返しになるんじゃないかな」。次は自分が背中を押す番。26年は完全復活の年にし、大車輪の奮闘で三嶋氏に感謝を伝えていく。
この日は沖縄で自主トレを公開。今オフから取り入れた、弓矢のような道具を使ったジャベリックスローも取り入れている。「昨シーズンを通して、手術した部分(背中)の硬さが一番しんどかった。プレートが入っているみたいな固まり方をするので、そこをどう少なくするか」。肩や胸の可動域を広げる狙いがあるという。ウエートトレーニングでの筋力アップもその一環。朝9時から夕方5時まで南国の地で汗を流している。「今の段階では去年より良い感覚で投げられています」。データを計測しながらマウンドから25球。順調な調整を続けている。
59試合に登板し、防御率1・09で最優秀中継ぎ賞を獲得した22年を超えるキャリアハイが目標になる。「開幕からシーズン通してチームの力になりたい。やるならやっぱりいいところで投げたい」。勝ちパターンでフル稼働。恩返しの旅が始まる。【村松万里子】
◆胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚労省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然に発見される場合もある。原因は不明。球界では湯浅、三嶋の他に元巨人の越智大祐投手、元ソフトバンクの大隣憲司投手、浜口遥大投手、元ロッテの岩下大輝投手、中日の福敬登投手らが公表している。
○…スケートボード女子パークの草木ひなの(17=スターツ)が湯浅らの合同自主トレに参加した。異色のマッチングトレに「(プロ野球選手は)ストイックで本当にすごい」と刺激。スケボーに使う股関節を鍛えながら、体幹トレーニングなどは同じメニューをこなし、湯浅も「まじですごい」と対応力に驚く。目標は28年7月の米ロサンゼルス五輪出場。野球競技も開催される。「湯浅さんと一緒にロスを目指して」と意気込んだ。
○…湯浅らの自主トレをサポートするトレーニングジム「フォームベースジャパン」の菊池貴之代表取締役も湯浅の完全復活を支える。「去年1軍に復帰できたけど、満足感とか全くなくて。向上心がすごくある」と内に秘めるものを感じている。「(黄色靱帯骨化症を煩って)1軍で50試合、60試合投げるのは、ほとんど人が経験したことがない。一緒に作り上げていけたら。筋力を上げることで、可動域を補えるものがあるんじゃないかとかを探っています」と支援に努める。