ソフトバンクのドラフト2位ルーキー稲川竜汰投手(21=九州共立大)が“大瀬良ロード”を目指す。17日、福岡・筑後市のファ…

ソフトバンクのドラフト2位ルーキー稲川竜汰投手(21=九州共立大)が“大瀬良ロード”を目指す。17日、福岡・筑後市のファーム施設での新人合同自主トレで、プロ初のブルペン入り。立ち投げで直球を21球投じ、最速152キロ右腕が非凡な投球で捕手らを驚かせた。今季の目標は大学OBの広島大瀬良大地投手(34)が獲得した新人王。憧れの先輩の背中を追い、1年目から即戦力の本領を発揮する。

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静寂の室内に、乾いたミット音が小気味よく響いた。マウンドの硬さ、傾斜を入念に確認しながら稲川は1球、1球を丁寧に投じた。「バランス、球質を意識して、感覚は良かった」。ネット裏から倉野1軍投手コーチらが視線を送る中、立ち投げで直球のみを21球。出力は7、8割程度というが、キレも球威は申し分なし。プロ初のブルペンで即戦力の片りんを見せた右腕は、納得の表情だった。

「緊張はなかった。自分のペースで投げられた気がします。楽しかったです」

リスペクトする大先輩がいる。譲れないタイトルがある。ルーキーイヤーでの新人王獲得だ。

「大瀬良さんが(新人王を)取られたことは知っています。大学の先輩で偉大すぎますね。自分も新人王を狙っていきたい」

同じ長身の本格派右腕。九州共立大では「大瀬良2世」で注目を集めた。リーグ戦デビューした1年春に4勝をマーク。入学即、主戦で大活躍するのは大瀬良以来だった。大瀬良から激励のメッセージを受け取ったこともある。「大瀬良さんのリーグ通算勝利数(38)を超してくれと。最初は超えてやろうと思ったんですけど…」。1年時は8勝を挙げたが、3年時に右膝半月板を損傷。メスを入れ、約1年間はリハビリに専念した。結果的に大学は15勝。大瀬良先輩の偉大さをあらためて痛感した。

プロ1年目に10勝を挙げた大瀬良のように、ポテンシャルは秘めている。投球を受けたブルペン捕手は「びっくりしました。ミットがもっていかれるような強さがありました」と証言した。最速152キロを誇り、落差のあるカーブを操る。エース有原が日本ハムに流出した先発事情も踏まえて、かかる期待は大きい。

「今ケガしたらもったいないので。飛ばし過ぎには気をつけたい」。2月1日からの宮崎春季キャンプを見据え、オーバーワークにも気を配る。地に足をつけて、新人王ロードを突き進む。【佐藤究】

◆稲川竜汰(いながわ・りゅうた)2004年(平16)2月25日生まれ、山口・周南市出身。灘小5年時に「灘はやぶさスポーツ少年団」で軟式野球を始め灘中では硬式の「岩国ヤングホープス」でプレー。中2で捕手から投手に転向。福岡・折尾愛真では1年秋からエース。3年夏は5回戦敗退。九州共立大では1年時の大学選手権、東北福祉大戦で11奪三振完封。3年春以降は故障に苦しんだが、4年秋は3勝を挙げて復活した。ソフトバンクでの背番号は13、今季推定年俸は1200万円。184センチ、88キロ。右投げ右打ち。