DeNAから戦力外通告を受けた三嶋一輝投手(35)が長年背負った背番号と同じ17日、現役引退を決断した。今オフに戦力外通…
DeNAから戦力外通告を受けた三嶋一輝投手(35)が長年背負った背番号と同じ17日、現役引退を決断した。今オフに戦力外通告を受けてから現役続行を目指してトレーニングを続けていたが、NPB球団からのオファーは届かず。開幕投手、先発ローテ、守護神からセットアッパーと投手としてすべてのポジションでチームを支えてきた35歳が、プロ13年間の現役生活に自ら区切りをつけた。
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三嶋は昨年の夏前、新しいルーティンを始めた。練習前に必ず45分間、ジョギングする。ファーム調整中なら球団施設DOCKのグラウンドを汗だくになって走る。「ボーッとしているといろいろ嫌なこと考えちゃうし、何かしていたいんですよね」。1軍に上がれない期間も長かった。焦りや不安もあっただろう。汗だくで走っている時間だけは、頭の中がすっきりしていた。
それだけではない。三浦前監督流の調整方法でもあった。22年、国指定の難病・黄色靱帯(じんたい)骨化症の手術をしてからは体の感覚が変わった。さまざまなトレーニングを試行錯誤したがなかなかしっくり来ない。そんな中でたどり着いた結果が、45分ランだった。毎日、スタートする時間もコースも同じ。「いつも一緒の時間とコースだと、身体の変化に敏感になるんです。三浦監督に教えてもらって、やってみたらこれいいなって」と日課になった。
この話を聞いたのは8月22日。東京ドームの試合前、まだ先に練習するホームの巨人選手すらグラウンドに姿を見せていない午後0時30分、黙々とランニングしていた。
くしくもこの試合で1回3失点と打ち込まれ、ファームへ降格。そのまま昇格はなく、現役生活最後の1軍登板となった日だった。それでも、そのときに聞いたこんな言葉が今でも脳裏に焼き付いている。
「毎日やりきるために走ってる。毎日生きてるんだって感じかな」
やれることはとことんやり抜いてきた。懸命に日々を生きることは、プロ野球選手じゃなくてもきっと変わらない。三嶋一輝はそういう男だった。【24、25年DeNA担当=小早川宗一郎】