ノルディックスキー・ジャンプ男子のW杯札幌大会が17、18日に札幌・大倉山ジャンプ競技場で開催される。エースの小林陵侑…

 ノルディックスキー・ジャンプ男子のW杯札幌大会が17、18日に札幌・大倉山ジャンプ競技場で開催される。エースの小林陵侑(29)=チームROY=、急成長を遂げる二階堂蓮(24)=日本ビール=ら日本勢と、W杯個人総合の首位に立つドメン・プレブツ(26)=スロベニア=ら海外勢が激突する。1998年長野五輪団体金メダリストで、スポーツ報知評論家の岡部孝信氏(55)=雪印メグミルク・スキー部総監督=が日本勢の現状を解説した。

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 五輪シーズン開幕から日本チームはW杯で大活躍している。男子はエースの陵侑頼みのようなところに、蓮が出てきて二枚看板がそろった。急に出てきたわけではない。去年からいいジャンプはしていたが、試合で力んだり、ちょっとしたミスで良いジャンプを2本そろえられないところがあった。今は飛び出しから安定してきた。

 武器は鋭い飛び出しからの攻撃的なジャンプ。攻めないとビッグジャンプは出ない。それができる選手です。時には、攻撃的になりすぎて失敗や悔しい経験もしたが、しっかり生かしているのだと思う。陵侑を超えたいと話しているようだが、実際に最近は結果でも勝っている。自分のジャンプをすれば勝てるという自信もついてきているはず。(8日の)結婚発表はびっくりしたけど、心のよりどころができたのもいい。

 陵侑はまだ本調子ではないかな。アプローチ(助走路)のポジションがちょっと後ろ気味になっている。バランスがちょっとずれている。ただ、しっくりきてないことは本人も分かっていること。その中でW杯で優勝しているし、本調子になれば恐ろしいことになると思う。

 そういう意味でも五輪前に札幌で試合があるのは大きい。地元で落ち着いて練習できるし、慣れた環境でリラックスして再調整できる。勝手知ったる場所で疲れを取りながらジャンプを見直せるのはプラスに働くはず。地の利を生かして勢いをつける結果を期待したい。

 ◆W杯札幌大会予選は陵侑トップ、葛西は予選落ち

  16日に札幌市の大倉山ジャンプ競技場でW杯男子個人17戦の予選が行われ、葛西紀明(53)=土屋ホーム=は、86・2点で55位にとどまり予選落ちに終わり、目指す9度目の五輪に向け崖っぷちに立たされた。17日の本戦に出場すれば、自身が持つW杯歴代最多出場のギネス世界記録を580戦、最年長出場記録を53歳225日に更新できたが、18日の2戦目までお預けとなった。

 全体2番目でスタート。ほぼ無風の中で飛距離を伸ばすことが出来ず110・5メートルで落下。悔しさから予選途中でジャンプ台をあとにした。「普通に飛べれば楽に予選は通るのに、コンチネンタル杯や練習でアプローチのポジションが上手くいかず、微調整を続けていました。そのせいで安定したアプローチ姿勢が取れず、不安定だったので不安が的中したジャンプが出てしまった」と悔しがった。

 エースの小林陵侑が、139メートルの大ジャンプで貫禄の予選1位突破。新婚の二階堂蓮も10位で通過した。

 ◆日本の五輪出場枠は現在「3」

 スキー・ジャンプの五輪出場枠は各国最大「4」。だが、日本は枠を得られる五輪ランキング25位以内に3人しか入っておらず、現状「3」しかない。その3枠は今季のW杯ランキング上位のエース小林陵侑(総合2位)、二階堂蓮(同4位)、中村直幹(同17位)の代表入りが確実視される。

 4枠を得た場合、大会前のW杯ランキング67点(同31位)で日本勢4番手につける佐藤幸椰が最有力。代表発表が予定される19日まで、レジェンド・葛西紀明ら他選手が日本勢4番手に入るには、今大会2戦でこの67点を超えなければ、逆転での代表入りはかなわない。(五輪担当・松末 守司)