◆大相撲初場所6日目(16日、東京・両国国技館) JR山手線などの運転見合わせによる交通網の混乱は、初場所にも影響を及ぼ…

◆大相撲初場所6日目(16日、東京・両国国技館)

 JR山手線などの運転見合わせによる交通網の混乱は、初場所にも影響を及ぼした。茨城県に部屋がある力士5人の東京・両国国技館到着が遅れ、取組の順番が変更された。フィリピン出身の序二段・冨蘭志寿(ふらんしす、27)=式秀=は鉄道、タクシーを乗り継ぎ、予定より後回しとなった取組で今場所初白星を挙げた。

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 序二段・冨蘭志寿が勝ち名乗りを受けたのは、三段目取組の午前11時半頃だった。鶴翔(音羽山)をはたき込み、今場所初白星も喜びは控えめ。「1時間以上遅れて師匠や行司さん、皆さんにご迷惑をかけた。(相手にも)精神的な部分で影響があったと思うので申し訳ない」と恐縮していた。

 朝起きると、JR山手線などの停電のニュースを知った。普段は取組時間の1時間以上前に会場に着くようにしているが、念のため、茨城・龍ケ崎市の式秀部屋を予定より15分早く出発。8時22分発のJR常磐線に乗ろうと龍ケ崎市駅まで歩いている途中、部屋の行司から電車の遅延を聞いた。「まさか常磐線も止まっているとは」と焦った。

 取組時間は10時50分頃と想定していた。移動中、10時には間に合わないと判断。師匠の式秀親方(元幕内・北桜)を通じて日本相撲協会に連絡。JR上野駅で下車すると、手配していたタクシーで急行し、国技館の門からダッシュした。協会が取組時間を後ろ倒しにする措置を取っていたため、冨蘭志寿は10番後の審判交代前に土俵に上がることができた。

 他にも式秀部屋の序二段・大当利、茨城・阿見町の二所ノ関部屋の三段目・古田、序二段・貴正道、阿見大心が本来の出番の時間に間に合わなかった。貴正道は古田と常磐線「ひたち野うしく駅」から乗った。途中駅で20~30分停車するなど定刻より約1時間20分長く乗車していたが、「焦っても仕方ない。リラックスしていこう」と気持ちを落ち着かせたという。三河島駅で早めに下車。タクシーで向かい、約30番後に組み直された取組を制した。

 交通機関の大混乱にも不戦敗はなく、遅らせた5番は全て成立した。高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「連絡があれば、着いたところから体を動かす時間を作る。スムーズだった」と総括した。(林 直史)