<独占インタビュー>金足農(秋田)・吉田大輝投手(3年)独占インタビューの続編です。昨夏の甲子園のこと、亜大進学のこと、…
<独占インタビュー>
金足農(秋田)・吉田大輝投手(3年)独占インタビューの続編です。昨夏の甲子園のこと、亜大進学のこと、兄輝星(25=オリックス)のこと、そして故郷秋田への思いも語っています。また、チームメートの佐藤晃真前主将(3年)も同じ東都1部の立正大に進むことになりました。【取材・構成=高橋香奈】
◇ ◇ ◇
-昨夏の甲子園で自己最速を更新して147キロを投げました。
今だから言えるんですけど、甲子園の時はブルペンに入って試合で投げる時までは、もう本当に(右太ももが)痛かったんですけど、プレーボールがかかった瞬間から痛み消えたっていうか、アドレナリンが出たというか。わざわざ学校から甲子園まで応援しにきてくれた生徒や先生方がいたので、その応援もあって、147キロが出たんじゃじゃないかな。
-それでも優勝した沖縄尚学に惜敗(0-1)しました
頭が真っ白になりました。打たれたところとか、何でこれ投げたんだろうとかずっと頭に出てきて、それが本当に悔しくて…。悔しかったです。
-試合後に涙
終わったから言えるんですけど、本当に我慢して耐えてやってきた3年間だったんで。球場を出るまで泣いたらダメだと思っていたんですけど、我慢できなくなっちゃって、気付いたら崩れてました。
-プロ志望でしたが、大学進学を選びました
ケガがあって、甲子園で自分のピッチングが出来なかったんですが、今考えたら、神様はまだ早いっていうか、天のお告げまでいったら大げさですけど、そうだったのかなって。4年後にあのケガが良かったって思えるぐらい、結果を残せればベストだと思います。
-亜大に行こうと思った理由に正村公弘監督(62)の存在がありますが、お兄さん(吉田輝星投手)はどんな監督だと言っていましたか
そこまで詳しくは言われてないんですけど、輝星はプロに入って4年間は思うように活躍できないってところもあったので、たぶんそれもあって「最初はプロいくなよ」っていうところから始まって、あの人の負けず嫌いなところもあると思うんですけど、「良くする自信があるって言ってたよ」って話を聞いて、そういうところですね。
-すでに正村監督の指導を受けて球の回転数が上がったそうですが、球速の方はどうですか
今も最速は変わってないですけど、現役の頃は練習でMAXが140とか出ても141だったのが、フォームを変えてからは回転数と一緒で球速も140がアベレージになってきていて、MAX145とか出たりはしています。練習の中でもアベレージとかMAXも上がってきて、試合になったらいきなり急速に上がる人なんだと思います。
-試合でよくアドレナリンが出ると言っています
気づいたら試合が終わってたとか、あとからテレビとかを見ていてこんな応援大きかったっけ、聞こえなかったってなる時もあります。
-特に磨きをかけてる球種は
真っすぐは、もちろん継続でやってますけど、大学に行くということで、周囲からずっと「決め球が弱い部分が弱点」って言われていて、決め球はカットボールとか、ツーシームだったんですけどもっと落ちる系のボールが欲しいということで、あんまり使えてなかったフォークを磨いていこうと思っています。
-フォークは誰かを参考にしているのですか
その球種1個だけじゃなくて、全体のバランスをとってうまく上げていければいいなと思っています。輝星がチェンジアップを投げるようになって三振を多く取り出した動画を参考にしたり。あとは、甲子園ではカーブで結構見逃しを取れたというか、タイミングを外せている感覚がありました。理想は(ドジャースの)山本由伸さんのカーブがベストだなと思って動画を見たりしてます。
-直球と多彩な変化球で勝負する投球スタイルは継続する
輝星は直球派だと思うんですけど、自分は総合型というか、変化球でも直球勝負できるし、最終的には高校時代は打たせて取るピッャーだったんですけど。臨機応変に対応できるピッチャーになれると一番いいかなと思います。
-あらためて大学ではどんな投手になっていきたいのですか
大学野球では大体2人がエースとなってチームを引っ張っているイメージがあるので、2連戦の1戦目を任されるぐらいの力をつけて、できれば2、3年生くらいではそこで投げられるようなピッチャーになりたいと思います。あとは東都リーグ(1部)はずっと青学が勝っているので、青山学院を倒して優勝したいなと思っています。
-佐藤前主将とは同じ東都リーグでライバルとなる
ずっと今まで一緒にやってきた仲間が、同じリーグでうれしいですし、活躍してくれれば刺激になる。キャプテンも引き継いでくれて感謝していますけど、マウンドではその感謝を真剣勝負で返すというか、絶対打たせない、負けないようにしたいと思います。
-人としてどう成長していきたいと思いますか
今は少しでも成長があると現状に満足しちゃうっていうところがあるから、やっぱり現状に満足しないでもっと謙虚になっていきたいです。高校生までは必ず誰かと一緒に練習していたんですが、今の期間は1人で練習する時間も増えて、やっぱり1人でも自分を追い込むことができる人はすごいなと思います。ひとりでも自分を追い込めるようになりたい。
-お兄さんの存在は金足農に入る前と今では変化がありましたか
自分が中学生の頃は本当に大好きで自慢のお兄ちゃんって感じだったんですけど、今は憧れから目標に変わった感じです。近いようで遠い存在に思っています。
-金足農で過ごした3年間を振り返って
野球はもちろんですけど私生活の面でも自立できるようにしていたので、人として成長出来たし、自分の弱さも克服できた。うまくいかない時もあったんですけど、甲子園という目標の場所に行くには金足農しかなかったなと思います。
-地元の方々に新天地でどういう姿をみせたいですか
たまに声をかけてくれたり、3年間通して応援してくれて、勝つこと優勝することでみんなを笑顔にできたり、力を与えられることは本当に自分が選手として実感できた3年間でした。秋田は離れちゃいますけど、離れていてもニュースを届けるっていう気持ちを忘れないで、変わらずに地元の方々を笑顔にできる野球選手になっていきたい。
◆吉田大輝(よしだ・たいき)2007年(平19)4月23日生まれ、秋田県潟上市出身。小1冬に天王ヴィクトリーズで野球を始め、天王中では軟式野球部と硬式のネオ・グリッターズでプレー。金足農では1年春からベンチ入りし、2、3年夏に甲子園出場。昨夏の1回戦では右太ももの違和感から先発回避も、3番手で登板し、優勝した沖縄尚学を3回1/3、1失点に抑えた。179センチ、86キロ。右投げ右打ち。血液型はA。