<ラグビー全国大学選手権:明大22-10早大>◇11日◇決勝◇東京・MUFG国立明大(関東対抗戦1位)が7大会ぶり14度…
<ラグビー全国大学選手権:明大22-10早大>◇11日◇決勝◇東京・MUFG国立
明大(関東対抗戦1位)が7大会ぶり14度目の大学日本一に輝いた。6大会ぶり優勝を狙う早大(同3位)との「早明決戦」で22-10で勝利。96年度以来29年ぶりに関東対抗戦と全国選手権の2つを制覇した。両大会で早大に勝利するのも29年ぶり2度目。ミーティングで結束を強め、夏に発生した20歳未満部員の飲酒事件からの低迷を乗り越えた。95、96年に選手として連覇を経験した就任5季目の神鳥裕之監督(51)は、3度目の挑戦で初優勝を飾った。
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国立の3層目から、大きな声援が飛んだ。「メイジ! メイジ!」。後半42分。明大が自陣ゴール前で体を張った。トライエリアまであと数十センチ。早大が落球し、日本一が決まった。15人は両腕を突き上げ抱き合う。スタンドで紫のメガホンを手にした部員も同様だった。CTB平主将は「フィールド外のメンバーも1つになって戦えた。1週間強化したDFを15人が見せられた」。試合テーマの「オール・コネクト」を体現し全員で頂に達した。
昨年2月に新体制が決定。「私生活にこだわらないと日本一になれない」と誓い、規律にこだわった。着手したのは寮生活の見直し。曖昧だったルールを厳格化させた。朝食を抜く選手が目立つ中、午前7~8時に食堂に全員が足を運んだ。平日のオフには酒を断ち、点呼の時間を徹底した。
しかし、不祥事が起きた。8月の長野・菅平合宿。最終日に20歳未満の学生1人を含む飲酒が判明した。規則が破られ、チームは沈んだ。フランカー楠田主将らは「気の緩みがあったからチームをコントロールできなかった」と襟を正し、幹部は「もう1回ついてきてほしい」と呼びかけた。
ただ、重苦しい雰囲気は簡単に拭えなかった。3週後の関東対抗戦の初戦で筑波大に12年ぶりに敗戦。その後、勝利はするものの低調な試合が続いた。ついに11月3日、チームが揺れた。スタッフも含め全員が集うミーティングで「ちょっと待ってください」。メンバー外から声があがった。前日の慶大戦で24-22での辛勝。主力のふがいない戦いに「本当にこのままでいいんですか」。我慢がならなかった。くすぶっていたAチームとノンメンバーの温度差が露呈。主力は反発し、NO8利川副将が「バラバラになりかけた」と明かすほどチームは傾いた。それでも、話し合ううちに互いの気持ちを理解。ミーティングの重要性を再確認し、週4日、最長4時間の会議を重ねた。例年にないほど時間をともにし、チームは復調。対抗戦を5年ぶりに制して勢いに乗った。
決勝前にも結束した。メンバー外は練習で早大の攻撃をコピー。寮を出る時には、拍手とハイタッチで送り出した。思いにAチームは応えた。前半9分に先制されたが揺らがない。19分にプロップ田代のトライを皮切りに着実に加点。防御では必死に食らいついた。そのたびに観客席が沸いた。わずか1トライに抑え、平は「80分スキを見せず戦うと1年間言い続けて、このフィールドでできた」と誇った。完璧な1年ではなかったかもしれない。それでも、最終目標の日本一を完遂した。【飯岡大暉】