<大相撲初場所>◇初日◇11日◇東京・両国国技館昨年11月の九州場所で初優勝、場所後に昇進した安青錦(21=安治川)が、…
<大相撲初場所>◇初日◇11日◇東京・両国国技館
昨年11月の九州場所で初優勝、場所後に昇進した安青錦(21=安治川)が、新大関初日を白星で飾った。
“くせ者”の前頭宇良の動きをよく見て組み止め、寄り倒した。大関昇進伝達式で目標に掲げたのは横綱。20年ぶりの新大関優勝、さらには89年ぶりの関脇&大関での連続優勝を達成し、一気に来場所で綱とりを狙う。豊昇龍、大の里の両横綱、大関琴桜も勝ち、上位陣安泰の初日となった。
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年が明けても、大関に昇進しても、変わらない強さを見せつけた。安青錦が終始冷静に“くせ者”を仕留めた。立ち合いで、鋭く踏み込んできたのは宇良の方だった。立ち遅れたように映ったが、全ては狙い通りだった。「思い切り突っ込むと、相手は速くてうまいので、はたき、いなしもある。それを食わないように相手を正面に置いて、相撲を取ることを考えた」。突っ張って相手を懐に潜り込ませず、機を見て左を差した。そこから一気に前に出て体を預け、寄り倒した。
偉業に挑む場所になる。新大関優勝を果たせば、平成以降では栃東、白鵬に次いで3人目。白鵬の新大関優勝が06年夏場所で、実現すれば20年ぶりとなる。さらに関脇時代からの連続優勝となると、歴代最長69連勝の最中だった双葉山の37年1月場所以来、実に89年ぶりとなる。双葉山は横綱相撲の最高の形ともいわれる「後の先」が代名詞の大横綱。この日の安青錦の取り口も「後の先」を思わせる内容。目指す偉業の先人の取り口と偶然重なった。
昨年11月の九州場所後の大関昇進伝達式で「さらに上を目指して精進いたします」と、口上を述べた。看板力士の仲間入りを果たした直後、さらに上を目指す向上心。新大関優勝を達成すれば、来場所は一気に綱とり場所となる。すでに付け出しを除く史上最速のスピード出世で大関昇進。3連覇なら横綱としても最速昇進を果たすことになる。
年末は可能な限り、取材に応じ、テレビ出演もこなしてきた。初場所に向けては年明けに本格始動。今月5日の稽古総見で、八角理事長(元横綱北勝海)にスタミナ不足や調整遅れを指摘されたが、テレビ出演などを悔やみはしなかった。「普段会えない人と会えて勉強になった」。稽古場以外でも刺激を求め、成長につなげてきた実績がある。
新大関初日は「体が硬かった。毎場所、緊張感はある」と、初土俵から2年半足らずの21歳は率直に振り返った。ただ「声援がすごく大きく感じた」と心が躍り、次はファンの心を躍らせる決意。主役を譲るつもりはない。【高田文太】