<バレーボール全日本高校選手権(春高バレー):金蘭会3-0就実>◇11日◇最終日◇女子決勝◇東京体育館15年連続15度目…

<バレーボール全日本高校選手権(春高バレー):金蘭会3-0就実>◇11日◇最終日◇女子決勝◇東京体育館

15年連続15度目の出場の金蘭会(大阪)が、連覇した2019年以来7年ぶりに春高の頂点に返り咲いた。今季の国スポを制した岡山選抜の中核を担った就実(岡山)に3-0(25-20、29-27、28-26)のストレート勝ち。4度目の優勝で、全国総体(インターハイ)との「2冠」を達成した。

エース馬場柚希主将(3年)が、感極まった。試合を終えて池条義則監督を胴上げした時だった。「勝った瞬間はまだ試合が続くような感覚だったけど、先生を持ち上げて、本当に勝ったんだなと実感が湧いてきた」。昨夏のインターハイ優勝時には「春高で」と拒否されていた胴上げ。「絶対にやってやるぞ」と誓った約束を果たし、指揮官を3度宙に舞わせた。

U19(19歳以下)日本代表にも名前を連ねる身長180センチのミドルブロッカーは、攻守だけでなく姿勢で導いた。この日は、第2セットは3度、第3セットは5度のセットポイントを相手に先に握られた。窮地に立たされた時こそ、忘れなかったのは笑顔。「リードされても『まだいけるよ』ってずっと声をかけていた。そのおかげで、全員の心が一緒の方向を向いてプレーできた」。逆境こそ冷静に、スローガン「つなぐバレー」を追求し、ここ一番での巻き返しにつなげた。

意識を変えたのは、昨年12月の皇后杯だった。1回戦で、Vリーグのフォレストリーヴズ熊本をセットカウント2-0と追い詰めながらも、3セット連取を許して逆転負けした。「焦ってしまってつなぐバレーができなった」。春高前の合宿で意識徹底を呼びかけ、強い一枚岩にした。マネジャーの存在も欠かせなかった。枩田七海(3年)は主力ミドルブロッカーだったが、昨年6月に右膝靱帯(じんたい)を損傷。コートに復帰することはかなわなかった。それでも嫌な顔一つせず、盛り上げ役に徹した。「苦しい時は私を見て」。その声がけがチームを明るくした。

「周りが支えてくれて、全員で勝ち切れた。感謝です」と馬場。枩田をはじめメンバー1人1人と抱き合うと、あふれる涙をユニホームの裾で拭った。今春からは強豪の筑波大へ進学する。同校OGでパリ五輪代表林琴奈のように世界で活躍できるエースを目指す。「託されたボールを決めきれるように、これからのバレー人生の課題としてやっていきたい」。夢の先を描いていく。