<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 9>1・4新日本プロレス東京ドーム大会で、「100年に1人の逸材」「エース」と称され…

<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 9>

1・4新日本プロレス東京ドーム大会で、「100年に1人の逸材」「エース」と称され、長年団体をけん引した棚橋弘至(49)が引退する。数々の激闘を繰り広げたオカダ・カズチカ(38=AEW)との引退試合が迫る中、プロレス愛にあふれる大相撲の小結若元春(32=荒汐)に棚橋への思いを聞いた。

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長くプロレス界に貢献してきた方の最後なので、華々しく終わってほしい気持ちもありますし、さみしい気持ちもあります。すごい楽しみですけど、終わってほしくない気持ちも強いです。プロレス界が厳しい時代、人気が落ちた時代を、一番支えた方が引退するというのは大きい出来事ですよね。

どこまでいっても主人公。例えば8人タッグ、6人タッグでも、棚橋選手がいると、自然と中心になる。引退しないと次の世代に代わっていかないというのもありますけど、歴史がすごい長いので、引退試合の相手が誰になるのか、考察しているのも楽しかった。そういう話をするだけで、すごく楽しかったです。

本当に「尊敬」という思いが強いです。棚橋選手がいなかったら、今、プロレス人気がこれほど上がることはなかったと思います。やっぱり「華」がありますよね。それって天性のもの。いくら努力しても手に入らないもの。武藤敬司さんから引き継いだ“太陽の系譜”は偉大ですね。主人公になりたくてもなれず、だからこそ輝いた選手も多いですけど、やっぱり王道、ど真ん中の難しさがあると思うんですよ。ただ、行けばいいわけではなくて、そこにファンからの支持も必要。「華」があるから、王道を進んでくることができたと思います。

思い出に残っている試合は…。1試合ですか? ウワーッ、ムズいですね(笑い)。中邑真輔選手との試合は、いつも面白かったですし。でも、1番思い出に残っているというと、2018年にG1クライマックスに勝って、翌2019年の「1・4」でケニー・オメガ選手にIWGP王座に挑戦して勝った試合ですかね。東京ドームで観戦していて泣きましたね。感動的でした。

あのころの棚橋選手は、年齢を重ねてきたのもありますけど、コンディションもそれほど良くなさそうで。それでもG1クライマックスに勝ち、東京ドームで挑戦してタイトルを取る。すごかったですね。当時のケニー・オメガ選手は絶対的な強さがあって、1番、脂が乗っているころ。負ける姿が見えなかったのに対して、棚橋選手は年も重ねていて、G1優勝の時点で“走りきった”といってもおかしくなかった。そこからIWGPも取って。涙が止まりませんでした。相撲界も年齢を重ねて、限界を感じて引退する方も多い世界です。自分も32歳になりましたが、今、見ても勇気づけられますね。いい試合でした。

僕の中で「1・4」は初詣だと思っています。東京ドームに行かないと、新年を迎えられないような。その年、1年間を「頑張ろう」と思わせてくれる。そういう意味で、最も元気づけられた年でしたね。2019年は直後の1月初場所で幕下優勝して、場所後に新十両に昇進できましたし。僕にとってプロレスは、日々の戦う糧だと思っています。

棚橋選手とは、ごあいさつさせていただいたり、一緒に写真を撮っていただいたりしました。やっぱり緊張しますね(笑い)。1人のプロレスファンとして、その場に立たせていただいて。その中でスターと向き合うと緊張しますよね。その写真を、スマホの待ち受け画面にするとかにはしないです。大切にフォルダーにしまっています。

今後の「棚橋社長」としては、プロレス界をさらに発展させたいと思ってくださっているはずなので、すごい期待しています。個人的には、自分のサイズ(187センチ、148キロ)に合うTシャツを作ってほしいなと思っています(笑い)。