フィギュアスケートペアの「ゆなすみ」こと長岡柚奈(ゆな、20)森口澄士(すみただ、24)組(木下アカデミー)が新春インタ…

フィギュアスケートペアの「ゆなすみ」こと長岡柚奈(ゆな、20)森口澄士(すみただ、24)組(木下アカデミー)が新春インタビューに応じ、2月のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)でメダル争いに食い込む覚悟を示した。

世界王者の三浦璃来(24)木原龍一(33)組(木下グループ)とともに、日本ペアでは初めて五輪に複数組が出場する。昨年末の全日本選手権は国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、25年世界選手権銅メダル相当の高得点で優勝。結成3季目で初五輪に臨む新鋭が、日本勢初のメダル獲得を見据えて上位進出を狙う。【取材・構成=藤塚大輔】

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「ゆなすみ」が躍進を続けている。昨年9月の五輪最終予選で日本の個人出場2枠目をつかみ、同12月の全日本ではISU非公認ながら合計215・30点。昨季の自己ベストから約40点を上乗せし、同世界選手権銅メダルの得点を4・83点上回った。「りくりゅう」こと三浦、木原組の背中を必死に追いかけている。

長岡「3年目で215点を出す未来は想像できなかった。それは喜んでいいかなと思う」

2人が初めて一緒に滑ったのは23年4月。日本連盟が大阪・関空アイスアリーナで開いたトライアルだった。経験者としてサポート役を務めた森口は、未経験ながら熱心に参加していた長岡の姿が心に残った。

森口「すごく真面目。気持ちの良い笑顔をしていて、とても輝いていた」

翌5月にペアを結成。シングルから転向した長岡はかねて、森口について「姿勢が良くてオーラがあって、怖かった」というが、結成間もなくの話し合いで印象が変わった。

長岡「澄(すみ)くんから『どこを目指している?』という話をされた時に、真剣な目で『僕はオリンピックだよ』と伝えてくれた。私は目標を口にしていいのか迷ったけれど『私もオリンピック』と言うことができた」

特に自信を抱くのは、男性が女性を持ち上げながら滑るリフトだ。2季目を迎える前に「2人で信じられないような技を作ろう」と、22年北京五輪の全ペアの動画を視聴。1日数時間かけて練習を重ねた。

長岡「すごい速さで運んでくれる。そのおかげで演技全体の印象が良くなる」

森口「僕を信じてくれて、思いきり笑顔でやってくれる。ここまで笑顔の選手はいないと思う」

時間を重ねるにつれて、互いへのリスペクトも増した。

森口「僕は息抜きしないと続かないけれど、柚奈ちゃんは誰よりも真面目。疲れていても走ったり、時間があれば体幹トレーニングをしたり。一日中、スケートのことを考えている」

長岡「澄くんは研究熱心でポジティブ。『今日は○○選手の動画を見たからうまくいくわ』と前向きにさせてくれる」

互いを動物で例えると…?

長岡「澄くんは競技面ではチーター。とにかくスピードが速くてジャンプ力もあるので。私生活はマイペースなところもあるので、ナマケモノです(笑い)」

森口「柚奈ちゃんはウサギです。(長岡が実家で)飼っているのもあるけど、うれしい時にペコペコしているので(笑い)」

信頼も深まった2人は、いよいよ初五輪へ臨む。昨年11月には今季世界9位の202・11点をマーク。ミラノでは日本ペア五輪最高位となる三浦、木原組の北京大会7位に続く入賞、その先のメダル争いに食らいつく覚悟だ。

森口「せっかく五輪に出るなら、メダルを目指さないともったいない。大きい発言になるけれど、りくりゅう先輩と一緒に表彰台に乗りたい」

長岡「もっと得点も伸ばせると思う。五輪に出るからには高い位置を目指すのは当然のこと。高い志を持って、良い演技、良い点数、良い順位を目指したい」

日本勢初の快挙へ。勢いに乗る新鋭が、初舞台でも輝く。

◆ゆなすみの2025年 3月の世界選手権に初出場もショートプログラム(SP)22位となり、日本ペアの五輪個人出場2枠目の獲得条件だったフリーに進めず。7月から新シーズンを迎えるにあたり、ロシア出身のドミトリー・サビン・コーチに師事。9月の最終予選で3位となり、五輪出場枠を獲得した。世界の実力者が集う10月開幕のGPシリーズでは、2戦連続4位と健闘。12月の全日本選手権では、三浦、木原組がフリーを棄権する中、ISU非公認ながら昨季世界選手権銅メダル相当の合計215・30点で2年ぶり2度目の優勝を収めた。

◆長岡柚奈(ながおか・ゆな)2005年(平17)7月13日、北海道・洞爺湖町生まれ。物心ついた頃から札幌市で育つ。5歳でスケートに出合い、7歳で本格開始。シングルは22年全日本ジュニア選手権23位。23年に森口とペア結成。拠点を京都へ移す。同年NHK杯でグランプリ(GP)シリーズデビュー。24年全日本選手権2位、25年は冬季アジア大会銅メダル、4大陸選手権7位、世界選手権22位。趣味は買い物。特技はテトリス。身長157センチ。

◆森口澄士(もりぐち・すみただ)2001年(平13)12月29日、京都市生まれ。9歳で京都醍醐FSCでスケートを始め、22年全日本選手権でシングル7位。20年からシングルとペアの“二刀流”で活躍し、長岡と組んだ23年からペア専念。特技は苦手なマヨネーズを瞬時に察知すること。身長175センチ。