新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“…
新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“100年に1人の逸材”として団体を引っ張り、現役を引退する棚橋弘至(49)が運命の1・4を迎える。チケットが全席完売となった大注目の大会を前に、棚橋の激闘10選を10回にわたって振り返る。6回目は2012年6月16日、大阪での棚橋vsオカダだ。
<棚橋弘至・激闘10選:第6回>◇2012年6月16日◇大阪・ボディメーカーコロシアム
IWGPヘビー級選手権で、挑戦者の前王者・棚橋弘至(35)が王座奪還に成功した。3度目防衛を狙った王者オカダ・カズチカ(24)から3カウントを奪い、2月に王座を明け渡した大阪でリベンジに成功した。棚橋は6度目の戴冠で、藤波辰爾の持つ史上最多戴冠記録に並んだ。
棚橋がエース復権に成功した。オカダの必殺レインメーカー(短距離式ラリアット)をかわし、スリングブレイドからハイフライフローという黄金コースでフォール勝ち。4カ月前にオカダに奪われたベルトを、同じ大阪で取り戻した。満員の観衆を前に「俺は大阪のこの風景を一生覚えてます」と感慨にふけった。
プロレス愛をこの一戦に示したかった。4月17日に立命大プロレス同好会の同級生をがんで亡くした。2年半の闘病生活の間、大阪遠征のたびにその友人を見舞って食事。1度就職しながら、教師になる夢をかなえた友人は、棚橋にとって心の支えでもあった。3月末に友人のツイッター(現X)の更新がストップ。意を決して電話した。「オレ、今から試合行ってくるわ」と言う棚橋に「うん。頑張ってな、ターナー」と答えてくれたのが最後になった。
史上最多タイとなるIWGP6度目の戴冠。「俺の記録を抜けるのは俺しかいない」と高らかに宣言した。7月1日の全日本との合同40周年記念大会(両国国技館)では、故橋本真也さんと史上最多20回で並んでいる通算防衛回数の新記録に挑む。この日の試合直後には真壁が挑戦を表明するなど、再び棚橋を軸に新日本が回り始めた。王者は「今日からが新しい始まり。これからさらに盛り上げていく」と叫んだ。
<注>当時の記事をリメーク。記事中の年齢、肩書などの表記は当時のものを使用。