<スピードスケート:全日本選手権>◇28日◇長野市エムウェーブ日本スケート連盟は28日、26年ミラノ・コルティナ五輪代表…
<スピードスケート:全日本選手権>◇28日◇長野市エムウェーブ
日本スケート連盟は28日、26年ミラノ・コルティナ五輪代表男女計14人を発表した。女子1000、1500メートルで2冠を達成した高木美帆(31=TOKIOインカラミ)は最大4種目で出場する。3種目で代表入りしたが、金メダルを目指す1500メートルを見据えて、500メートルは補欠に回った。また、今季限りでの「teamGOLD(チームゴールド)」解散を発表した。女子でメダル候補の吉田雪乃(22)は500、1000メートルの2種目で選ばれた。
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最年長が、感慨にふけった。代表14人で並んで記念撮影に臨んだ高木は初出場当時を思い返した。「今の姿は全く想像できなかった」。15歳で出場した10年バンクーバー五輪に思いをはせる。4度目の五輪ユニホームに身を包み「身の引き締まる思いで責任感を感じる。とうとう五輪が近づいてきた」と覚悟を固めた。
日本全体を考えてきた。18年平昌で3個、22年北京で4個のメダルを獲得したエース。前回の代表を引っ張った姉の菜那さん、小平奈緒さんらは現役を退き、最年長になった。「平昌、北京でも責任ある立場と感じていた」としつつ、吉田ら初出場組と並び「初めての選手が多い。チームジャパンとして戦いに行くことを考えると、経験者として何ができるか考えないといけない」。31歳8カ月で迎える4度目の大舞台でチームを引っ張る覚悟を示す。
北京後は自らを中心に「チームゴールド」を結成。五輪金メダルを目指しつつ、仲間の底上げにも貢献してきた。この日の1500メートルでは表彰台の中央に立った。右には2位佐藤、左に3位堀川。今季ともに活動した日本女子3人で並び、笑顔を見せた。レース後には「このチーム、このメンバー、このリンクで滑るのは最後のレース。チームの解散は決まっている」と今季限りでの終了を突然告白。ただ、「進退に関わる話ではない」と強調した。
1スケーターとして、かなえたい目標がある。過去2大会は銀メダルにとどまった1500メートルでの金メダル。スピードと持久力の両面が必要な種目の頂点を渇望する。この日は1分55秒12をマークして優勝したが「やろうとしたことを最後まで完遂できなかった。明確になった課題をひたむきに超えたいレースだった」と悔しさをにじませた。
五輪は大会終盤の1500メートルを考慮し、ミラノ入り後に4種目での出場可否を判断する。前回金の1000メートル、銀の団体追い抜きは出場するが、前回6位の3000メートルは選考会に不参加。500メートルは補欠となった。開幕まであと39日。「本番まで残り日数が少ない。1日を大切にしながら、目指してきたゴールに全速力で向かいたい」と頂点を見据えた。【飯岡大暉】