新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“…

新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」が1月4日に東京ドームで行われる。“100年に1人の逸材”として団体を引っ張り、現役を引退する棚橋弘至(49)が運命の1・4を迎える。チケットが全席完売となった大注目の大会を前に、棚橋の激闘10選を10回にわたって振り返る。第4回目は2009年6月20日、大阪での中西との一戦だ。

<棚橋弘至・激闘10選:第4回>◇2009年6月20日◇大阪府立体育会館

挑戦者棚橋弘至(32)が、45日ぶりにIWGPヘビー級王座を奪回した。王者中西学(42)のパワーに何度も追い詰められながら粘り抜き、31分18秒、ハイフライフロー2連発からの片エビ固めで勝利。4度目の王座戴冠を果たした。

耐えた。王座への渇望が、棚橋の心を支えた。中西のアルゼンチン式背骨折りに体を曲げられること3度。絶体絶命のピンチをはね返し、最後はコーナーポストから連続して飛んだ。「1回、ベルトを巻いた性(さが)ですね。オレはこれにしか興味がないから」。同王座4度目の戴冠は、藤波辰爾(6度)佐々木健介(5度)に次ぎ、天山広吉と並んで3位。「彼女」というベルトを45日ぶりに取り戻し、「お帰り」と優しく抱いた。

前回5月6日の中西戦で左肋(ろく)軟骨を骨折した。10日間安静する間に、体重は4キロ増。持ち味のスピードを失ったまま、今シリーズに突入した。「スタミナは切れなかった。だてに4回、チャンピオンやってないっすよ」。負傷後は試合前に会場周囲を最低10周ランニング。陰ながら続けた努力が、最後に実った。

試合後はプロレスリング・ノアの杉浦貴(38)が乱入し、次戦の対戦を要求。歴代3位となる4度目の王座戴冠を果たした王者は「(杉浦は)負けん気の強い選手。いつだってやりますよ」と受けて立つ構えだ。13日には業界の大先輩、三沢光晴さんが亡くなった。「プロレスにかかわる人間すべてが、ハッピーになって欲しい。時間はかかるかもしれませんが」。新日本のエースは、プロレスの発展のために戦う。

<注>当時の記事をリメーク。記事中の年齢、肩書などの表記は当時のものを使用。