横浜隼人(神奈川)野球部OB会による第16回少年野球教室が21日、横浜市の同校で行われ、OBのオリックス宗佑磨内野手(2…

横浜隼人(神奈川)野球部OB会による第16回少年野球教室が21日、横浜市の同校で行われ、OBのオリックス宗佑磨内野手(29)らが約130人の小学5、6年生に技術を伝えた。

少年野球教室では珍しいひと幕だった。キャッチボール指導をする宗が1人2~3球ずつ、小学生を相手に少々強めに投げた。

「行くよ」

相手に指定された少年は笑いながら、少しだけ不安そうに、でも勇気を出してグラブを白球に寄せる。ナイスキャッチ。宗もその様子を笑顔でたたえる。

「ちゃんと投げましたね。捕れそうな子はちょっと強めに。でもケガしない程度に」

なぜ。

「やっぱり、それを体験できる機会ってなかなかないじゃないですか。小学生の時にそれを経験して『こうなりたい』って思ってもらえるように、僕としても全力で(自分の技術を)使っていこうというのはいつも考えています」

自身が少年時代にそういう思い出があるというわけではないものの「僕がやった方が印象に残るだろうなと思っているので」と、自ら考えて少年野球教室では取り入れている。

横浜隼人からプロ入りし10年目が終わった。

「ここで僕は育ちましたし、当時は教えてもらってたけど、今は教える立場。年月を感じますし、すごく感傷的な気持ちにもなります。いい思い出も悪い思い出もよみがえります」

10年は。

「年齢重ねるたびに1年がどんどん短くなっています。それが後悔のもとになると思うし、一瞬を大切にしたいですね」

だから子どもとのキャッチボールでも、惰性では投げない。真剣にクイックスローも展開し、高度な技術を子どもたちの記憶に植え付けた。【金子真仁】