文・取材・写真:赤羽ひな(ラリーズ編集部・欧州特派員)「球技をしてはいけません」そう書かれた看板が立つ公園も少なくない日本。多くの日本人は、公園にある遊具といえばブランコや滑り台、ジャングルジムを思い浮かべるだろう。一方で、ドイツの公園にあ…

文・取材・写真:赤羽ひな(ラリーズ編集部・欧州特派員)

「球技をしてはいけません」

そう書かれた看板が立つ公園も少なくない日本。

多くの日本人は、公園にある遊具といえばブランコや滑り台、ジャングルジムを思い浮かべるだろう。

一方で、ドイツの公園にある定番の遊具といえば卓球台。ドイツにはどの地域にも当たり前のようにアウトドア卓球台が置かれている。



今回は、日常的に親しんでいる遊具として卓球がある国、ドイツのアウトドア卓球事情に迫る。

頑丈なテーブル

公園にある卓球台は硬い石でできており、ネットも鉄で作られている。足は固定されていて動かすことはできず、冬には卓球台に雪が積もることもあるという。
ラケットとボールは持参する必要があるため、ブランコのように何もないときにはプレイできない。
場所によっては珍しい形の卓球台が置いてある公園もある。



卓球台の有無と公園の広さはあまり関係なく、全面が道路に面した小さい公園にも置いてあることが多い。他の遊具は一切なく、置かれているのはベンチと卓球台のみという場所もある。
他には記者が泊まったホステルの中庭にも卓球台があった。卓球台がある風景は、ドイツ国内では決して珍しい姿ではなかった。

アウトドア卓球台の見つけ方

普通に住宅街を散歩していれば、探そうとしなくても卓球台のある公園が見つかることが多い。しかし、即座に確実に近くの卓球台を訪れることのできるサイトがある。

公共の卓球台を検索できる「ピンポンマップ」は、近くの卓球台を見つけることのできる地図型のWebサービスだ。ドイツ全域の卓球スポットを検索することができて、ブラウザとアプリの両方で使用が可能だ。

日本国内1000箇所以上の卓球スポットを網羅した「PINGPONG SPOT by Rallys」はコチラ



実際にピンポンマップを使って卓球台を探してみると、街の中心部であれば徒歩1時間圏内に数十件規模の検索結果が出てくる。
上の写真は、ドイツのケルンという地名で検索した結果である。反映された結果をもとにケルンの公園を訪れると、公園の卓球台でプレイする現地の人々を見かけることができた。




取材時にプレイしていたドイツ人の男性は、初心者と中級者の間といったレベルだった。ボールの行方が風に左右されながらも、お互い不用意に攻撃することなく穏やかにラリーを続けていた。ピンポン球が転がると、近くを走り回って遊んでいた小さい女の子が一生懸命取りに行って、男性達に渡してあげる姿が印象的だった。

卓球台でサッカー

最近日本でも知名度を上げつつある卓球台を使ったサッカー「ヘディス」も、実はドイツが発祥だ。
ヘディスは、ドイツの大学生がサッカーをしようと思ったところ、サッカー場が混んでいたため代わりに卓球台で遊んだことが由来して生まれた。屋内外の卓球台が気軽に使える環境下にあるドイツだからこそ生まれたスポーツであると言えるだろう。

まとめ

幼い頃から日常の風景として卓球台があるドイツ。
日本の公園でお父さんと息子がキャッチボールをするように、ドイツの公園では親子で仲睦まじく卓球をしている姿が見られるのかもしれない。卓球が日常生活に根付くドイツでは、公園で遊んだ卓球が好きになった子どもが将来の卓球選手になることもあるだろう。
卓球台を探せるピンポンマップは現在地が把握できる普通の地図としても利用できるため、ドイツを訪れた際にはそれを活用して卓球スポットを意識しながら観光地を巡ってみてはいかがだろうか。

参考リンク[ピンポンマップ]https://pingpongmap.net/