第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)で史上初となる同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を狙う青学大が16日、練習拠点…

 第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)で史上初となる同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を狙う青学大が16日、練習拠点としている相模原市の相模原キャンパスで壮行会を行い、原晋監督(58)、主将でエースの黒田朝日(4年)らが昼休みに集まった学生、教職員らに、いよいよ、あと約2週間後に迫った大一番に向けて意気込みを語った。

 原監督は恒例として今大会では「輝け大作戦」を発令。「11日には青山キャンパスで壮行会を行いました。きょうは普段、練習をしている相模原キャンパスで壮行会を行い、たくさんの方々に集まってもらい、うれしいです。我々は青学大代表として箱根駅伝で快走します。一番星となってゴールの大手町に帰ってきます。皆さんも輝いて応援していただき、選手を輝かせてください。『輝け大作戦』、スタートです!」。指揮官が力強く話すと、大きな拍手が沸き起こった。

 11日に東京・渋谷区の青山キャンパスで行われた壮行会には、学業優先の方針のもと、授業の関係で欠席した折田壮太(2年)、飯田翔大(かいと、2年)、松田祐真(1年)が10日のメンバー登録発表の後、初めて公の場に登場。箱根路への抱負などを明かした。希望区間について折田は「4区」、飯田は「1~5区」、松田は「3区」と話した。

 折田は兵庫・須磨学園高3年時に5000メートルで13分28秒78の日本高校歴代2位(当時、現4位)をマーク。全国高校駅伝でもエース区間の1区で区間賞を獲得した。24年春に「世代NO1ルーキー」として青学大に入学。1年時の全日本大学駅伝3区では区間5位と好走し、首位をキープ。上々の大学駅伝デビューを果たしたが、その後、故障し、前回の箱根駅伝では同期が4人も登録メンバーに入る中、外れた。2年目の今季、学生3大駅伝初戦の出雲駅伝(10月13日)ではスピード区間の2区で区間10位と苦戦し、6位から11位に後退。続く第2戦の全日本大学駅伝(11月2日)は出番なしに終わった。しかし、その後、驚異的な巻き返しを見せた。11月22日のMARCH対抗戦1万メートルでは日本人学生歴代12位の27分43秒92と力走。本来の能力を発揮しつつある。

 飯田も鹿児島・出水中央高3年時に5000メートルで日本高校歴代4位(当時、現在7位)の13分34秒20をマークした逸材。今季の出雲駅伝ではエース区間の3区を任され、区間10位に終わったが、続く全日本大学駅伝ではつなぎ区間の6区で区間賞と好走した。MARCH対抗戦1万メートルでは大台を突破し、27分51秒51で走破した。

 前回まで4年連続で往路の主要区間で激走した「駅伝男」太田蒼生(現GMOインターネットグループ)が卒業。2年目にして箱根駅伝初出場を目指す折田、飯田は青学大3連覇に向けてのキーマンとなる。

 11日に続き、この日の壮行会でも登録メンバーが大一番に向けた抱負と希望区間を表明した。2年連続で8区で区間賞を獲得している塩出翔太(4年)は、今年2月に悪性リンパ腫のため、亡くなったチームメートの皆渡星七(みなわたり・せな)さん(当時3年)への思いを明かした。

 登録選手と徳澄遼仁主務(4年)の主なコメントは以下の通り。

 黒田朝日(4年)「最後の箱根駅伝で有終の美を飾りたい。朝日が輝けるように頑張ります。希望区間は2区です」

 荒巻朋熈(4年)「夏からしっかり練習を積めています。希望区間は1区です」

 佐藤有一(4年)「最初で最後の箱根駅伝。集大成として頑張ります。希望区間は6区です」

 塩出翔太(4年)「最後の箱根駅伝は区間賞、区間新記録を目指して頑張ります。皆渡星七にいい報告をしたい。希望区間は、4区、5区、8区です」

 鳥井健太(3年)「初めて登録メンバーに入りました。1、2年目はメンバーに入れずに悔しい思いをしました。その悔しさをぶつけたいと思います。希望区間は5区です」

 中村海斗(3年)「初めてエントリーメンバーに入りました。いつも原監督には『(中村のレースは)予想を超えない』と言われているので、箱根駅伝では原監督の予想を超える走りをしたいです。どこでも走れるので、全区間を希望します」

 平松享祐(3年)「1年生の時からエントリーされ、3度目のエントリーとなりました。でも、まだ、一度も走っていないので、手元には(優勝チームの登録選手に授与される)金メダルだけがあります。今回は走ってチームに貢献したい。希望区間は9区です」

 飯田翔大(2年)「出雲駅伝は厳しい結果でしたが、全日本大学駅伝では区間賞を取ることができました。箱根駅伝ではエース区間で区間賞を目標に頑張ります。希望区間は1区、2区、3区、4区、5区です」

 遠藤大成(2年)「チームテーマの『俺が青学を勝たせる』を実行できるように頑張ります。希望区間は6区です」

 折田壮太(2年)「出雲駅伝では苦しい走りでチームに迷惑をかけてしまい、悔しい思いをしました。箱根駅伝に向けて状態は上がってきています。希望区間は4区です」

 佐藤愛斗(2年)「前回は10区から当日変更で出走できず、悔しい思いをしました。今回こそ、走ってチームに貢献したいです。希望区間は10区です」

 松田祐真(1年)「1年生らしい積極的な走りで優勝に貢献したいです。希望区間は3区です」

 徳澄遼仁主務(4年)「選手は輝けるのは皆さんがいるからこそです。応援、よろしくお願いします」

 ※宇田川瞬矢(4年)、小河原陽琉(2年)、石川浩輝(1年)、上野山拳士朗(1年)は授業の関係で欠席。