来月2、3日に開催される第102回箱根駅伝に6年連続39度目の出場を決めている山梨学院大を3度の総合優勝に導き、現在は…

 来月2、3日に開催される第102回箱根駅伝に6年連続39度目の出場を決めている山梨学院大を3度の総合優勝に導き、現在は顧問を務めている上田誠仁氏(66)が今年度末で退任することが16日までに明らかになった。10月に行われた予選会では前神奈川大学監督の大後栄治氏と解説を務めた上田氏。今後は様々な分野での活躍が期待される。

 26歳だった1985年春、山梨学院大で指導を開始した上田氏。翌86年の予選会では6位に入り、創部1年8か月で箱根駅伝出場を決めた。以降33年連続でチームを指揮。留学生ランナーをチームに迎えるなど独自路線でチームを育て、1992年、94年、95年と3度の総合優勝を果たした。19年には陸上部全体の監督となり、22年からは顧問ならびに中距離コーチを務めていたが、今年度をもって山梨学院を“卒業”することになった。上田氏は「67歳で定年、ということもあり、一区切りという思い」と話し「これからは今までとは違う時間の使い方を楽しみたい」と思いを明かした。

 自らも順大の選手として走り、その後も指導者として携わった箱根路への思いは誰よりも強い。半月後に迫った本戦に向け「今は外国人選手に負けない強い日本人選手が続々と育ってきた。用具の進化なども後押しし、選手の成長が目覚ましい」と話すと「エース頼みのチーム、ではなく、チームで戦える学校が強いですね、楽しみです」を目を細めた。自らが立ち上げ、39度の出場を決めた山梨学院大の一員として、大崎悟史監督(49)を支えラストレースに挑む。

 ◆上田 誠仁(うえだ・まさひと)1959年1月9日、香川・善通寺市生まれ。66歳。77年、尽誠学園から順大に入学。箱根駅伝は2年5区1位、3年5区1位、4年5区2位。卒業後、香川県で教員を務め、85年に山梨学院大監督に就任。87年、箱根駅伝初出場に導き、92、94、95年に優勝。2016年は次男・健太と大会史上初めて監督と選手の父子鷹に。19年、飯島理彰コーチが駅伝監督となり、自身は陸上部全体の監督となった。22年4月から顧問に就任。