◆プロボクシング三大世界戦▼WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者ノ…
◆プロボクシング三大世界戦▼WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者ノニト・ドネア ▼WBA&WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・高見亨介―WBO王者レネ・サンティアゴ ▼WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマット12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級4位・桑原拓(17日、東京・両国国技館)
トリプル世界戦の会見が15日、都内のホテルで行われた。2団体王座統一戦に臨むWBA世界ライトフライ級王者・高見亨介(帝拳)は、「帝拳ジムにベルトを取り戻したい」と3月に同門の先輩・岩田翔吉を破り王座を獲得したWBO世界同級王者レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)への敵討ちを誓った。WBA世界バンタム級正規王者の堤聖也は、世界5階級を制覇したWBA世界同級暫定王者ノニト・ドネアとダウンの応酬となる激戦も辞さない覚悟を示した。
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名門・帝拳ジムの“秘密兵器”と期待される高見が、壇上に飾られたサンティアゴの持つ赤いベルトを眺め、決意を強めた。
「WBOのベルトを見て『(岩田)翔吉くんが持っていたベルトなんだ』とふと思った。海外の選手にベルトが渡っているのはいい気がしない。同じ日本人として、ジムの後輩として、もう一回、(ベルトを)帝拳ジムに取り戻したい」
サンティアゴは3月にジムの先輩・岩田翔吉を判定で下し王座を獲得した。フットワークを駆使したかと思えば、打ち合いも仕掛ける。攻撃の幅が広い難敵だが「相手がどんなスタイルで戦ってきても、対応できるように準備をしてきた。ガツガツ来ても、足を使っても大丈夫」と言い切る。岩田からは「頑張れ」とエールを送られ、敵討ちへの思いはより強くなった。同時にジムの威信を背負い王座統一に挑む覚悟だ。
5日の公開練習では「願望を込めて4ラウンドKO」を宣言した。この日の会見でも改めて「4ラウンドKOの気持ちで行く。口に出すことで自分も奮い立つ。有言実行? 格好いいじゃないですか」と笑う。元WBC世界スーパーライト級王者でジムの浜田剛史代表は「本人が4ラウンドまでのKOを宣言しているので、そこまでは何も言わずに見ることにする」と全幅の信頼を寄せる。
10キロの減量を強いられるライトフライ級では、今回がラストファイトとなる。「減量はあと2キロ。範囲内です」と厳しいながらも順調を強調した。「4ラウンドKOが決まらないかもしれないが、KOは狙っていく。その覚悟はある」と23歳の無敗王者は常に強気の姿勢を崩さない。根拠のある自信があるからだろう。(近藤 英一)
◆高見 亨介(たかみ・きょうすけ)2002年4月5日、東京都新宿区生まれ。23歳。目黒日大高でインターハイ、国体優勝。アマ戦績は43勝4敗。22年7月にプロデビュー。25年4月に日本ライトフライ級王座を獲得。同年7月にエリック・ロサを下しWBA世界同級王座を獲得。プロ戦績は10戦全勝(8KO)。身長167センチの右ボクサーファイター。家族は両親と兄、妹。