◆全日本大学アメリカンフットボール選手権▽決勝(甲子園ボウル)立命大38―14関学大(14日・甲子園球場) 大会初の西日…
◆全日本大学アメリカンフットボール選手権▽決勝(甲子園ボウル)立命大38―14関学大(14日・甲子園球場)
大会初の西日本勢同士の決勝は、立命大が5タッチダウン(TD)を奪って38―14で関学大に快勝し、2年連続10度目の優勝を果たした。高橋健太郎監督(44)の主将時を含む2002~04年度の3年連続V以来、21年ぶりの連覇。パスとランで2本ずつの4TDを演出したQB竹田剛(4年)=大産大付=が甲子園ボウルMVPに輝き、キッカー横井晃生(4年)=桐蔭学園=がミルズ杯(年間最優秀選手)に選ばれた。
立命大の選手らが聖地で連覇の喜びに浸った。高橋監督が主将として甲子園ボウルとライスボウルを2連覇した03年に生まれたDB今田甚太郎主将(4年)=駒場学園=やQB竹田らがけん引。“03年超え”を掲げた今田主将は、学生日本一を懸けた初の関西対決を制し「歴史に残る一戦に勝てて良かった。仲間に感謝しかない」と涙した。高橋監督も「あの関学に2回目で勝って2連覇。超えたんでしょう」と笑顔で認めた。
同シーズン中の関学大との再戦で、立命大がリベンジしたのは04年度以来。今季は関西学生リーグ最終節(11月9日・万博)での対戦でTDを奪えず3―24で完敗も、この日は成長ぶりを見せつけた。第1クオーター(Q)、竹田がWR仙石大(4年)=立命館宇治=にTDパスを通し先制した後、自らのランでもTD。第2Qに反撃を許したが、後半もTDを重ね、立命大の関学大戦歴代3位となる24点差をつけて今度は快勝。竹田は「監督は関学には10回に1回勝てるかどうかと(会見で)言ってたけど、絶対勝ってやると思っていた」と胸を張った。
今秋のリーグ戦では、開幕5連勝後に難敵の関大戦、関学大戦を迎える際「この緩い空気のままでは勝てない」(今田主将)と練習を取りやめてまで、ミーティングを敢行。練習への取り組み方や、試合に出ていない時の態度など、本音をぶつけ合った。高橋監督も「私が主将の時も6月にオフェンスとディフェンスで乱闘があった」と当時の衝突を懐かしむ。現部員らは乱闘こそしなかったが、チームは結束を増し、関学大に敗れた後もすぐ、全国の舞台へと気持ちを切り替えた。
来季も追われる立場。今田主将は「ここが始まり」と後輩にエールを送った。RB蓑部雄望(みのべ・たけみ、3年)=佼成学園=は「まだある課題を克服し、3連覇します」と同校04年度以来の偉業を宣言。立命大が黄金時代への一歩を踏み出した。(田村 龍一)
◆立命大パンサーズ 1953年創部。87年にチーム愛称を「グレーターズ」から変更した。94年に関西学生リーグと甲子園ボウル初制覇。関西学生リーグは14度、社会人と戦って日本一を決めるライスボウルは3度優勝。主なOBはQB東野稔(元アサヒビール)、QB高田鉄男(元パナソニック)ら。部員数149人(選手113人)。