前回王者の立命大(関西2位)が、2年連続10度目の学生日本一に輝いた。1年時から看板を背負ってきたQB竹田剛(4年)が、…

前回王者の立命大(関西2位)が、2年連続10度目の学生日本一に輝いた。1年時から看板を背負ってきたQB竹田剛(4年)が、4TDと躍動。第1クオーター(Q)から2TDを奪うどう猛な攻撃を仕掛け、リーグ戦で3-24と敗れた相手を撃破した。高橋健太郎監督(44)が現役だった03年大会に成し遂げた2連覇を関学大(関西1位)相手に再現。大会史上初の「関西対決」を制した一団は“黄金時代”を築く。ミルズ杯(年間最優秀選手賞)はキッカー横井晃生が受賞した。

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残り1分16秒で攻撃のターンが回ってきた。応援スタンドはすでに祝福ムードだ。スローガン「BUCHIAGE」通り、会場が沸きに沸いていたそのとき。竹田の胸に広がっていたのは、喜びでも達成感でもなかった。「苦しかった。やっと終わった…」。走馬灯のように、苦労した大学4年間が脳内を巡り、気付けば涙がほおを伝っていた。

1年時はリーグ戦4試合、2年時は全7試合に出場し、その2年間関学大の壁に阻まれた。3年時は24-14で破って日本一にもたどり着いたが、今季リーグ戦では3-24と手も足も出ず。「タッチダウン取れんくて、これでどうやって勝てんの?」と再び苦しみの渦に入ってしまった。

相手は、過去34度甲子園ボウルを制した名門。昨季から選手権のトーナメント方式が変わり、聖地で今年史上初の「関西対決」が実現した。4年間攻撃陣をけん引してきた司令塔も「手足がちぎれても、グラウンドにずっと立ち続けよう」と並々ならぬ思いで乗り込んだ舞台。序盤から、プロ野球のDeNAで投手として活躍する兄祐譲りの強肩を生かしたパスを強みに、「渡せば大丈夫」と信頼するランナー陣の走りで相手をかく乱。自身の4TDを含む得点力で常にリードを保ち、後半は相手を無失点に抑え、前評判を覆す連覇を成し遂げた。

「今までありがとう」「お前やから勝てた」。試合後に、仲間から労われた言葉の数々。苦しかった思い出一色だったはずのエースの胸の中も「みんなを残してこのチームを去るのが悲しい。もう1年やりたい」という思いで徐々に染まり始めていた。

卒業後も競技は続ける予定。MVPにも輝いたこの日の景色を目に焼き付け、揺らいだ思いを胸に植え付け、4年間で掲げ続けた「勝たせるQBになる」を追い求め続ける。【竹本穂乃加】

◆竹田剛(たけだ・ごう) 2003年(平15)7月21日、大阪府生まれ。Xリーグなどでプレーした元アメフト選手の父勉さんをきっかけに、大産大付高で競技を開始。兄祐は昨年10月のドラフト会議でプロ野球DeNAからドラフト1位で指名を受けた投手。183センチ、95キロ。