28日に開幕する全国高校サッカー選手権(東京ほか)に、北海道からは北海が2年ぶり14度目の出場を果たす。29日の1回戦…

 28日に開幕する全国高校サッカー選手権(東京ほか)に、北海道からは北海が2年ぶり14度目の出場を果たす。29日の1回戦・大津(熊本)から始まる戦いへ、カギを握る選手をポジションごとに4回にわたって紹介する。第1回は1年時から2トップを組む増谷拓海と野沢渓人との3年生コンビが、初の全国舞台へ向け、思いを語った。

 高校最後の舞台で、最高のコンビが3年間の集大成を見せにいく。ポストプレーにたけた183センチの増谷と、スピードを武器とする172センチの野沢という、北海不動の2トップ。道大会準決勝では増谷、決勝は野沢がいずれも1―0の決勝点を挙げ、2年ぶりの選手権へと導いた。

 1年生だった2年前はともに観客席での応援部隊。初の全国選手権へ、増谷は「2人のどっちでもいいので点を取って、全国で勝つという目標を達成できるようにしたい」と声を大にする。野沢も「今まで一緒にやってきた仲間の思いも背負って、自分と増谷でチームのために走って戦って、しっかり点を取って勝たせたい」と続けた。得点への執念を見せ、2年ぶりの白星を狙う。

 最初の公式戦から2トップを組んだ2人。増谷が「野沢とは誰よりもサッカーのことを話してきた、一番やりやすい最高の相方」と称するように、私生活も含め、最も長い時間を過ごしてきた。2人がピッチに並び立つのは今大会が最後。野沢が「イメージの共有や距離感とか、お互いにボールが入った時にどういう関わり方をしたら良いかとかは分かる」と話すあうんの呼吸で、敵ゴールに迫る。

 初戦で当たる大津は今年の全国高校総体で準Vの難敵。増谷が「日本の高校サッカーでトップのトップ。今まで戦ってきたどの相手よりも強い」と警戒する高い壁だが、当然、前しか向いていない。「倒すために相手の良さをどう消すかとか、自分たちの良さをどう出していくかとか、しっかり全員で準備していきたい」と野沢は奮い立った。

 点が取れない時期は励まし合い、助言を送り、ここまで歩んできた。「2年前、この舞台にもう一度来て、2人で点を取りたいと思っていた」。ともに抱いた思いを果たすべく、増谷と野沢が全てをピッチで出し切る。(砂田 秀人)