<ショートトラックスピードスケート:全日本選手権>◇13日◇第1日◇東京・辰巳アイスアリーナ長森遥南(23=アンリ・シャ…
<ショートトラックスピードスケート:全日本選手権>◇13日◇第1日◇東京・辰巳アイスアリーナ
長森遥南(23=アンリ・シャルパンティエ)が女子500、1500メートルで2冠を達成した。
1500メートルを2分50秒209で制すと、500メートルも45秒229で優勝。来年2月のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)代表最終選考会で猛アピールに成功した。「まさか優勝できると思っていなかった。歴代優勝者がいる中で勝ち切ることができて良かった」と笑みを浮かべた。
兵庫県神戸市出身の23歳。小学2年からショートトラックと並行しながらゴルフを始め、ベストスコアは「68」を誇る。現在はショートトラックに専念しているが「集中する期間が終わったらまた始めたい」とほほ笑んだ。
関学大を経て、地元兵庫に本社を構える洋菓子メーカー「アンリ・シャルパンティエ」に入社。オフ期間ということもあり、はじめの3カ月はお菓子づくりを担当した。それまであまり料理をしなかったこともあり「私に任せて大丈夫かな?」と不安もあったが、抹茶やいちご味のフィナンシェ作りなどに奮闘。社業にも力を注いできた。
今大会を迎えるにあたっては、フィギュア女子の坂本花織の姿にも刺激を受けていた。同郷で2学年先輩の坂本は、先週末のグランプリ(GP)ファイナルで銅メダルを獲得。ショートプログラム(SP)5位からフリー1位と巻き返し、3大会連続の五輪代表入りへ大きく前進した。長森は「大学のころによく話しかけてくださった」と振り返り、テレビ観戦していたGPファイナルでの姿に「フリーで巻き返す姿を見ていて、すごく勇気をもらった。花織さんの笑顔にいつも力をいただいている」という。この日はそれも力に変え、2種目で優勝してみせた。
14日は1000メートルが控える。女子の五輪出場枠は「5」。すでに3人の選出が確実のため、長森は残る2枠を争う立場となる。最後のアピールへ「優勝を目指して頑張りたい」と明るく意気込んだ。