<高円宮杯U-18サッカープリンスリーグ東海プレーオフ:磐田東1-0美濃加茂>◇13日◇1回戦◇愛知・豊田市運動公園球技…

<高円宮杯U-18サッカープリンスリーグ東海プレーオフ:磐田東1-0美濃加茂>◇13日◇1回戦◇愛知・豊田市運動公園球技場

磐田東(静岡2位)が美濃加茂(岐阜1位)に1-0で競り勝ち、来季のプリンスリーグ(L)復帰に王手をかけた。後半28分、FW高田心羽(ここは、2年)とMF石川柚友(ゆとも、3年)の“途中出場コンビ”が決勝点をもたらした。昇格を懸けた一戦は14日に行われ、三重(三重1位)と対戦する。常葉大橘(静岡1位)は、四日市中央工(三重2位)に1-2で逆転負けした。

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待望の瞬間は、後半28分に訪れた。CKのこぼれ球を拾ったMF石川が右足を振り抜く。シュート性のボールをゴール前に送ると、FW高田が反応した。「(相手の)守備の意識がボールにいっている間にポジションを取り直した」と持ち味の動き出しでフリーに。頭で捉え、たたき込んだ。「みんなで喜びあえて、めちゃくちゃうれしかった」。沸き上がる応援団の前で歓喜の輪が広がった。

決勝点となった貴重な一撃をお膳立てした石川は、左足第5中足骨の骨折で高校最後の選手権を欠場。主将も務める大黒柱を欠いたチームは、準決勝で浜松開誠館に0-2で敗れた。不完全燃焼に終わった悔しさを抱えながらも「監督やコーチ、後輩に恩返しがしたい」と手術を回避し、保存療法を決断。10日の練習から完全合流を果たすと、このプレーオフに向けて急ピッチで調整してきた。

迎えた初戦は、後半開始からピッチに立った。高田との“途中出場コンビ”で結果も残し、チームに勝利をもたらした。山田智章監督は「キャプテンだし、チームに安心感を与えてくれる。選手権も棒に振っていたし、アシストが柚友で良かった」と目を細めた。

次戦は夏の練習試合で完敗した三重と対戦。勝てば、来季のプリンスL昇格が決定する。石川が「1度負けた相手には負けられない。借りを返したい。3年間の集大成。これまでの全てを出し切りたい」と言えば、高田も「次も苦しい時間帯があると思う。自分が出て、ゴールに絡んで流れを変えたい。勝って、最後は3年生と笑って終わりたいと思う」と力を込めた。

目標達成まであと1勝。磐田東には、戻ってきた主将と頼もしい切り札がいる。【前田和哉】