日本高野連は12日、第98回選抜高校野球大会(来年3月19日から13日間・甲子園)の21世紀枠候補として、創立132年…

 日本高野連は12日、第98回選抜高校野球大会(来年3月19日から13日間・甲子園)の21世紀枠候補として、創立132年の伝統校で文武両道を評価された郡山(近畿=奈良)、埼玉で4強入りした上尾(関東・東京=埼玉)、出場すれば歴代で日本最北出場校となる士別翔雲(北海道)など9校を発表した。来年1月30日の選考委員会で2校が選ばれる。

 寒空の下で白球を追っていた郡山ナインに吉報が届いた。2000年夏以来26年ぶりの甲子園に一歩前進したが、笑顔はない。表情を一層引き締めて再びグラウンドに駆けた。

 1893年に創立し、県内で最古の歴史を持つ伝統校。学校のすぐ北側には郡山城跡があり、来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主演の仲野太賀(32)が演じる豊臣秀長が城主を務めた。奈良出身の高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に就任したこともあり、主将の田副(たぞえ)皓大捕手(2年)は「古豪復活を目指している。このいい流れに乗って奈良を広めていきたい」と意気込んだ。

 部員の半数が国公立大学進学を目指し、部活後に塾に通う選手もいる文武両道の環境で今秋は県4強入り。1897年創部の野球部は春夏通算12度甲子園出場を誇り、春は1998年が最後。準々決勝で米大リーグ、レッドソックスなどで活躍した松坂大輔を擁する横浜に敗れるも0-4と善戦した。野球部OBの岡野雄基監督(35)は「今まで頑張ってくれた人、支えてくれた人のおかげ」と伝統に感謝。聖地の切符が届くと信じて鍛錬を積んでいく。